木ノ葉隠れ創設編
-千年前の予言-
扉間政権も早十数年を越え、綱手も自来也と大蛇丸と中忍になり、次は上忍に…という時だった。
十六歳を迎えたばかりの自来也が突然旅に出ると言い出したのだ。訳を聞いてみると仙術の会得にも殆ど成功し、大蝦蟇仙人ことガマ丸から予言を授かったと話した。ガマ丸の夢の予言は必ずと言っていいほど当たる。そこで自来也はその予言に沿って旅に出る事にしたのだ。
「世界を歩いて森羅万象を見て周り本を書け、と大蝦蟇仙人は仰っていましたが…」
予言については自分にもよく分からないといった様子の自来也だったが、その決意は堅かった。
『そっか。それなら旅に出てみるのもありかもね』
「しかし、何処にいるのか定期的に連絡は寄越せ。後、旅をするのは自由だが他国で悪戯はするなよ」
センリはそれ程心配していなかったが自来也の幼少期に手を焼いていたマダラは鋭く言い聞かせた。
「もうそんな歳ではありません。悪戯などしませんよ」
「覗きも駄目だ」
マダラが即答すると自来也は分かりやすくギクッと体を揺らした。
「まあ、危険な事をせんようにしていれば後はお前の好きにするといい」
ヒルゼンは多少心配の種が増えるというふうに苦笑いをしていたが、自分の育てた弟子は心から信用していた。
『火影には報告しておくから、安心して旅立つといいよ』
「ありがとうございます、センリ様」
自来也は成長する事に垢抜けてしっかりしてきていたのでセンリも安心はしていた。
自来也が木ノ葉を旅立った事で綱手は多少寂しそうにしていたがそれを分からないように修業や任務に打ち込んでいた。
それは大蛇丸も同じで毎日うるさいと思っていた存在でもいなくなると意外と物足りなく感じるものだと不思議に思いながらそれからの日々を過ごしていた。
センリには少し気になる事もあった。
扉間が火影になり、特にヒルゼンが綱手達を弟子にしてからダンゾウは以前より冷徹に変わったきがしていた。
任務報告の帰りなどに火影邸で偶然すれ違っても軽く会釈をされるだけだったし、この数年でまともに話さえしていないのではないかとセンリは思っていた。
しかしダンゾウが幼い頃から火影を夢見ているのも事実で、その為に今は力を付けているのだろうかとセンリは推測していた。
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