- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-木ノ葉警務部隊設立-


柱間の死から八ヶ月弱経つと、扉間の二代目火影としての政策も板についてきて里の人々もそれに馴染んできていた。


今まで忍の中でも力量別に分けていたものも、下忍、中忍、特別上忍、上忍と名称別に分けられた。これでかなり忍達の立場がわかりやすくなり、任務を振り分ける為の判断材料としても使われるようになった。

忍者学校を卒業した者だけが晴れて下忍としての称号が手に入れられ、本格的に忍として任務に当たれるようになる。


そこから中忍になる為には適切かつ間違いの無い判断が必要になると扉間やイズナが考えた結果、アカデミーを卒業し下忍になった忍達にはそれぞれ上忍の忍を一人つける事にした。扉間や柱間がヒルゼン達の師になったように、大人の実力のある忍が複数の子ども達を教育するというシステムだ。

里の人口が増える事に忍を目指す子ども達も増える。その中で師弟の関係を築くのは互いに成長でき、双方とてもいい事になるのではないかとセンリは大いに賛成した。



しかしその一方で扉間の、現実を直視して冷徹に物事を考える思想が顔を出す事もあった。



『暗部?なにそれ?』


マダラと共に里の相談役として度々扉間に呼ばれているセンリが聞き慣れない言葉に首を傾げる。


「正式名称は暗殺戦術特殊部隊、というが……その名の通り、普通の任務とは違う少々危険な作業をこなしてもらう。忍として優秀な者を個別に指名して、オレが直接任務を下し、それを遂行する。まあ…明るみには出ない、陰で働く忍というところだ」


扉間を説明をよく考えて聞いていたセンリだったが、難しそうにうーんと唸った。


『なるほどね…』

「姉さんはよく思わないと思うけど、これはかなり重要な役割だ。暗部の忍には秘密を徹底できる者を選んで、素顔も隠して任務に当たってもらう」


扉間の考えた事のようだったが、イズナは賛成したようでセンリに言い聞かせた。隣で聞いていたマダラもそれには賛同していた。


「前回の柱間の事件のような惨事を防ぐ為にもそういう部隊は必要になってくるだろうしな。今は大きな戦争は無いとはいえ忍の世界は綺麗事だけでは生きていけない。汚れ仕事は避けては通れん」


仕方無しといった様子だったが扉間の要望には反対せずにマダラは小さく息を吐いた。


『ん、そっか。分かった。でもあまりにも危険な事は避けてね。私がやるから』


二代目火影は扉間だったが、何か意見があれば実質イズナとセンリとマダラの四人で解決していくというスタイルだった。


里の忍の階級が決まっていくとヒルゼンやダンゾウ達は上忍として高いランクの任務につく事が多くなった。

以前のように何度も修業を共にする訳ではなかったがヒルゼンやコハルはセンリに会えば表情を崩して近況報告をしていた。皆は扉間から術を教わる事がなくなって独立し、それぞれの覚悟と意思を元に忍人生を送っているようでセンリはここでも時の流れの早さを実感していた。
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