- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-二代目火影-


新しく里長を決定するには火の国の大名とも会談をしなければならない。
木ノ葉の忍達との会談より五日後には火の国の大名達が護衛の忍と共に里に到着し、早々に会議が行われた。

マダラとセンリと扉間とで大名と話し合いをして、そこでも最終的に扉間が次の火影になるという事で決定した。火の国の大名は木ノ葉の里の政治には極めて関心が薄く、マダラか扉間かセンリの中なら誰でもいいといった様子だった。



扉間は二代目火影として正式に里長に選ばれた。

センリは、思ったよりマダラがその決定に口を挟まなかったので少し意外だった。イズナの事をはじめ扉間とは個人的に関わる事もなく、「あいつは好かん」と口にしているのもよく聞いていたので、もう少し反対されるのではないかと心の中で思っていたのだ。


『(もしかして…認めてはいるのかな)』


必要以上に扉間と接触する事は無いが口にしないだけで実力や思想を認めているのではないかとセンリは結論を出し、少し嬉しくなった。



イズナが学校教師を辞める事に関しては特に子ども達は悲しみを隠しきれなかったが、イズナと共に任務に当たれる日を夢見てより一層勉学に励む事にしたようだった。


扉間の火影就任式が執り行われる頃には里の人々は柱間が亡くなったという悲しみから抜け出し、新しい里長の誕生を心から喜び合っていた。

火影邸の屋上でいつかのように青空の下、センリは火影の笠を扉間の頭に被せた。


『(こうして繋がっていくんだよね)』


兄の意志を爛々とその瞳に宿した扉間を見て誇らしく、そしてほっとする程のあたたかい感情に包まれた。柱間の意志は消える事なくこの先もこの里を照らしていくのだろうと思うと溢れ出そうになる涙を何とかこらえ、その未来を思って笑った。


イズナも、側近としての仕事等はマダラに教わったりしていて扉間の側近として仕事をする事に関してはそこまで嫌厭していないようだった。

ただ実務に関しては柱間より遥かに出来る扉間だったのでその辺の負担は少ないようだ。火影室で交わす言葉は少ないながらも共に仕事に当たる扉間とイズナを見て、自分の我が侭と独断で決めた事だったが悪くなかったかもしれないとセンリは思っていた。


柱間の火影岩の隣には職人達によって扉間の顔岩も彫られ、二代目里長はだんだんと木ノ葉に定着していった。


イズナも側近としての仕事にだんだんと慣れてくると徐々に自身の意見を扉間に話すようになった。イズナの扉間に対する敵対心のようなものは消えないものの事務的な会話は時々聞かれるようになった。


そこでイズナの自身の経験を踏まえ、里の忍者養成施設は大きな修整が加えられた。



「なるほど、くノ一クラス、という訳か」

扉間は、イズナが纏め上げたこれまでの資料を見つめながら言った。


「一昔前と違って今は、忍の男女差が縮まってきてる。ただ、やっぱり男女では力や得意分野にどうしても差が出てくる…。その為にもクラスは別々にした方が良い」

「それなら受け持つ教師の方もくノ一にすべきか…」

「ま、それがいいだろうね」


イズナは資料を扉間の机から取りながら素っ気なく返した。イズナの態度を扉間はあまり気にしていなかった。



近年忍は男だけでなく、くの一も増加傾向にあったため男女共に授業等を受けていた構成を改め、くの一クラスを設置する事にした。同じ忍とはいえ男と女では得意分野や知識も違ってくる。

くの一クラスでは諜報活動に役立つ、家庭科や茶華道などの教養科目を取り入れるシステムになった。時には色任務につく事もあるくの一は仕草や身なりなども重要になってくる。教員の忍も里のそれなりの手練のくの一が就く事になった。

忍者養成施設は周りの軍事施設と纏めてアカデミーと名を改め、建物の増築と共に新しくまた生まれ変わる事になった。

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