「隠すな」


マダラは再び名前の耳の裏辺りに口付けしながら、上半身を包むものがなくなってわたわたと慌てながら赤面している名前の手をやさしく外す。


『っ………は、恥ずかしいよ…』 


最初こそ抵抗していたがマダラに手を取り払われ、名前はギュッと目を瞑り羞恥の表情をする。初めて見る、月明かりに照らされた名前の肌は、マダラが想像していた以上に美しかった。

普段はきつく衣服に隠されている、白く輝く新雪のような膨らみがあらわになり、たわわに揺れる。美しく膨らんだ乳房に反して、腰は折れそうに細い。名前の肌の白さからして体も美白なのだろうとは思っていたが、まるで雪のような白さだ。乳房の先には薄桃色の突起が控えめにその芽を覗かせていた。


「綺麗だ、名前…」


マダラはそれを目にしただけで高揚したように息が上がるのを感じた。むしろ胸元の薄黒い呪印のしるしでさえもそれを引き立たせるただの飾りのように見えた。こんなにも美しいもの見たことがなかった。果たしてこれは自分が触れていいのかとさえ感じる一方で、早くその感触を確かめたいという欲が喉を鳴らした。

マダラは壊れ物を扱うようにその膨らみにそっと触れる。女の胸部を見ただけでこんなにも気分が滾るなんて、一体自分はどうしてしまったのかと思いながらも、それがなるべく名前に伝わらないよう努力した。


『っ…』

つ、と人差し指が触れると名前の体はわかりやすく跳ねた。マダラが触れたその乳房は、肌にしっとりと吸い付き柔らかいのに確かな弾力があった。

マダラは自分の足を少し開き、名前の手を引き寄せ、その足の間に膝立ちにさせた。より近くで名前のそれを見たかった。目の前でふるると揺れる乳房は普段下着に締め付けられていて分からないがふっくらと大きく、それでいて重力に負ける事なく凛と上を向いている。微かな幼さを残す、そして人形のようは美しい顔立ちとは不釣り合いにも見えたが、その似合わなさが逆にそそられた。


『まっ、マダラ、あんまり見ないで…』


行き場の無い手を少々うろうろさせた後にマダラの肩に手を置く羞恥にまみれた名前の表情も、欲情を煽るだけだった。見られている方が目を背けたくなるほどマダラが自分の胸部を凝視するので、名前は恥ずかしさに押し潰されそうだった。


「それは聞き入れられないな。こんなに綺麗なもの……見るなという方が無理だ」

『そんな、こと』


マダラは名前の反抗する言葉を無視して柔らかな膨らみを堪能するようにやわやわと揉み拉く。指の間に胸の肉が埋まる感触がとても気持ち良い。

幼い頃名前と風呂に入った記憶は微かにある。こんなにも美しい裸体を見ていて何も思わなかったのかと思うとマダラは自分が恐ろしく感じた。


薄桃色の小さな突起の周りを、円を描くように指でなぞると美しい乳房に反して控えめな薄桃の先端が仄かに形を変えた。


『っ』

声を我慢しているらしい名前は、その指の動きに耐えるように顔を歪める。マダラの指の腹が掠める度に、肩に置かれた名前の手に力が籠る。しかしマダラの指がその桃色の突起をきゅ、と摘むと堪えきれずに名前の声が漏れた。


『んっ、!』


初めて聞く名前の女の甘い声だった。名前はそんな声を出した自分に驚き、パッと口を手の甲で覆った。初めて感じる感覚に名前はどうしたらいいか分からなかった。そんな名前を知ってか知らずか、マダラは口を覆うその手を掴み口付けを落とす。


「大丈夫だ。恥ずかしがるな」


今までこんなにも他人に体を触れられた事などなく、言い知れぬ不安に駆られていた名前は、細められたマダラの目を見て少し安心したようだった。

マダラは名前の細い腰に手を回し引き寄せた。空いた手でもう一度名前の乳房を愛撫する。親指と人差し指の腹で小さな突起を擦られると、名前の体に感じたことの無い感覚が走った。

体中の熱が全部そこに集中した。硬く膨らんできたそれを親指でやさしく押しつぶせば、鼻にかかった名前の吐息が漏れる。


『ふっ…う、』


マダラが目線をあげて名前の顔を見上げると目を閉じ、唇を震わせながら愛撫に耐えている。見た事の無いこの表情も声も、今自分が引き出していると思うとマダラの中の独占欲が満たされていく気がした。自己主張しはじめたその突起は指で扱く事に膨れ、硬くなっていく。


『ふ、う…………ん、…』


控えめに漏れる名前の声が頭上から降りかかるたびにマダラの体の中がじんじんと熱くなり、頭がふわふわとしてくるのは酒のせいではないような気がした。


薄桃色の突起がぷっくりと膨れてくると、マダラはそこに顔を寄せる。急かす己の欲望を何とか押さえ込み、急がないようにゆっくりと乳房に口付ける。暑くもなく、寒くもない温度だったが、名前の陶器のような肌はマダラの唇にしっとり吸い付き汗ばんでいるようにも思えた。

乳房の周りに何度も口付けを落とすマダラの髪が名前の胸元辺りに触れるので、先程のこそばゆさが戻ってきて、今度は名前の口が擽ったさで震えた。


『ふふ』


頭上から降る名前の微かな笑い声を聞いてマダラは一瞬動きを止め、名前の顔をじとっと見る。

相変わらず目は閉じていたがその唇は微かに弧を描いていた。名前の羞恥の表情を見たくてマダラはつんと上を向いたその突起に唇を寄せた。あまり力を入れずに唇でやんわりと包み込みながら舌を這わせる。すると名前のそこに感じたことの無い快感が包み鳥肌が立った。


『あっ…!』


どう聞いてもその声は快楽によるもので、名前の背中が仰け反る。マダラの肩に置いてある手が服の布を握るのと同時に離れそうになる名前の腰をぐっと引き寄せる。


『はっ、……』


突起を口で覆い熱い舌を押し付ける。吸い付くように突起を口に含めば、より一層甘い声がマダラの頭上に降る。舌で絶え間なく弄び、反対側の突起も指で擦ると、名前の体がびくっと跳ねた。


『や……あっ、ま、待って…マダラ…!』


切羽詰ったような名前の声が聞こえ更にマダラを欲望の高みへと走らせたが、極めて平静に震える声に応え、少しだけ突起から口を離す。


「…どうした?」


舐められ敏感になった名前のそこにマダラの息が降り掛かり、それさえも快感に変わった。一言問いかける間も指は突起をやさしく擦る。


『んっ、な、なんか…変………はぁっ』


羞恥と快楽の狭間を彷徨うような名前の声。初めての快感にどうしたらいいのか分からず、必死に耐えるような表情。見慣れない名前の艶のある姿がマダラをだんだんとただの男へと変えていく。


「大丈夫だ、おかしくない。気持ちいいという証拠だ」


体を駆け巡る、微弱な電気が走ったような感覚。擽ったいような、それでいてお腹の奥あたりがきゅう、と締め付けられるような。
そうか、乳房に感じる感覚は気持ちいいという事なのかと名前はくらくらする頭で理解する。


未だに声と感情を我慢している名前の恍惚とした顔が見たくて、どうしてもマダラの気持ちは急いてしまう。名前の腰紐の結びを解き、腰の当たりで止まっている役目を果たしていない着流しをすべて取り払った。

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