-扉間の疑心-
見渡す限りの、雲。
『………って、なんで落ちてるのぉぉ!!』
センリはそこを真っ逆さまに落ちていた。
『ちょ、カ、カルマっ………ああ、呼び出せないのか!じゃなくて!いや、これどうなってるのー!!』
それはもう言葉通り、墜ちる。センリが風に目を細めながら凝らすと、遥か下の方に地上の緑が見える。
『嘘っ……いくらなんでも死ぬ…!』
ものすごい早さで落下する体制を何とか整え、チャクラを練る。白い煙がセンリを包む。同じ落下のスピードで地上が迫る。風を切る音がごうごうと耳に響く。すでに真下には家々が見える。
『間に合って…!』
センリはどこかの家に、文字通り墜落した。
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