-マダラと柱間、うちはと千手-
そして次の柱間との約束の日はすぐに来た。
センリはタジマに一族の修業を見ろという名目で一族の集落に置いて行かれた。
今日のことはほかの者達は知らないが、修業をしてる最中ならセンリが逃げ出すことは無いというタジマの考えだった。
昼過ぎ、マダラを送り出す。
『マダラ』
マダラは大丈夫だ、というふうにセンリに向かって頷く。そしてその後をタジマとイズナが着いていった。
イズナがセンリに手を振る。イズナはそれ程びっくりしなかったし、父に協力した。
去り行く三人の姿をセンリは見送る、フリをした。
『(そう簡単にいかないよ)』
しかしセンリはハナから集落で待っているなどとは考えていなかった。
塀の後ろに隠れ、髪を一本引き抜き、術を発動する。もう一人のセンリが現れる。
『頼んだよ!』
『任せて』
全く同じ姿形のセンリが集落の演習場に向かっていく。センリの作り出す分裂体は分身とは違って衝撃を受けても消えることは無いもう一つの身体だ。
『よし……』
本物のセンリはサッと走り出し、マダラたちの後を追いかけた。
――――――――――――――――
センリがもうすぐで三人に追いつくという時、マダラと柱間は川の両側で対峙していた。
「早速だがよ、まずは挨拶代わりの水切りからいくか」
マダラが向こう岸の柱間に向かって言う。柱間も返事をして二人が同時に石を投げる。
「…!」
そしてマダラも柱間もお互いの交換した石を見てハッとする。
マダラの石には【 罠アリ去レ】の文字、そして柱間のものには【逃げろ 】。二人は同じことを考えていた……友だちを騙すわけにはいかない。
「柱間、わりぃ今日ダメだ。急な用を思い出してよ」
マダラはクルッと方向転換して柱間に手を上げる。
「じゃあオレも帰るとするぞ」
柱間も手を上げる。そして二人は一斉に振り向き、反対方向に走り出す。マダラはそのまま逃げ切る気でいた。
だが、その作戦はそう上手くはいかなかった。
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