- ナノ -

-マダラと柱間、うちはと千手-



『あはは!二人とも何?そのコント!』


本当に面白そうにお腹を抱えて笑うセンリを見て、マダラはムスッむくれた。


「笑うな!」

柱間はその時初めてセンリの存在に気付いたように、センリを振り返った。


『柱間くん、だっけ?すごく面白いことを言うんだね!』

センリはまだ笑いが止まらず、クククと頑張って笑いを抑えていた。


「笑いすぎだ!どこに笑うところがあるんだか分かんねェっつの!」

尚も笑うセンリにマダラが突っ込む。


「ホントに分からないな……こんな美人な女性とお前みたいな奴が一緒にいるなんて…」


柱間はさもそれが絶望的なことのようにボソッと呟く。マダラはまた柱間をキッと睨みつける。


「目障りだ!どっか行っちまえ!!」

マダラの言葉に柱間はクルッと背を向けて手を上げる。

「じゃ…」

しかしその肩をマダラがガシッと掴む。


「やっぱ待てェー!!」

「どっちぞ?お前の方こそハッキリしろよ」


柱間は呆れたようにマダラを振り返る。しかしその時、ふと川を見ると、甲冑を着た男性が水に浮かびながら三人の元に流れてきた。


「…アレは!」

柱間はそれに気付きバチャバチャと音を立てて水の上を走りその男性の元に近寄る。センリもその後を追う。


「…お前、忍か?」

その様子を見てマダラが驚いたように尋ねる。しかし柱間は何も答えずにその男性をじっと見る。


『…脈がないね』


センリが男性の右手を取り脈拍を見たが、すでに男性は息を引き取った後だった。


「センリ」

マダラがセンリを呼ぶ。余計な事はするなと言う事らしい。センリは悔しそうに遺体を見つめた後、そっと川岸に引き上げ、マダラの元に戻る。


「センリ……」

柱間は呟き、センリとマダラを見る。


「オレは行かなきゃならねぇ。えっと……」

「名はマダラだ。性を見ず知らずの相手に口にしねェのが………忍の掟だ」


向こう岸に渡った柱間に向かってマダラが言う。その言葉に柱間はやっぱり、という表情をする。


「センリにマダラ、か……やっぱりお前達も忍なのか」


そう呟くと柱間は森の中に消えていった。

センリは二人の間に何か不思議な雰囲気を感じた。出会うべくして出会った、とでも言うような、運命にも近い何かだった。

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