木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-四代目火影-
『そういえば、四代目火影が決まったよ!』
センリがにっこりすると三人は顔を見合わせて詰め寄った。
「ほ、本当か?」
「だからセンリ様はこの所忙しかったんですね!」
「誰なんです?」
センリは三人のキラキラと輝く顔を順番に見つめて、嬉しそうに笑った。
『ミナトだよ』
「えっ、」
オビトが目を丸くさせた。三人は一瞬面食らって、同じようにポカンとした表情をした。
「センリ、それ――ホントなのか…?」
オビトが掠れた声で問いかける。少し間抜け顔だ。
センリはふふ、と笑いながら、大きく頷いた。
『もちろんだよ!ミナトは、四代目火影になったんだよ!』
三人は互いの顔を見て、そして途端にその表情に笑顔が広がった。
「や―――やったー!!」
オビトが歓喜に声を上げて、カカシとリンの首に腕を回し、それぞれ両手で抱き締めた。
「ちょっ、オビト…苦しい――」
「力が強いんだよお前は…!」
ギュウギュウと首を締め付けるオビトの腕を何とか剥がして、リンとカカシは息を整える。
「センリ!ウソじゃねーよな?本当なんだよな!?」
『本当だよ!』
「すっげーよ!ミナト先生が火影なんて!」
センリが念を押すと、オビトは本当嬉しくて仕方ないようにガッツポーズをする。リンも嬉しそうに顔を輝かせた。
『会ったらおめでとうって言ってあげてね!ミナトも、三人に早く会いたいはずだから。就任式も少ししたら行われるか…――』
「オレ、ミナト先生のところに行ってくる!」
『ら………』
センリの言葉を聞き終わらないうちに興奮したオビトが屋根の上を走って行ってしまった。身体は本当に全快のようだ。
「あいつ……三人で昼食を取るとか言い出したくせに…遅刻した上に約束を放り出しやがって――」
「まあまあカカシ、嬉しい事だもの!私達もお祝いしに行こう!」
カカシはため息をついたが、怒っている様子はなかった。
『これからミナトは忙しくなっちゃうと思うから、今のうちにお祝いしてきなよ!』
「はい!そうしたらセンリ様、お団子屋さんに行きましょうね」
『うん!楽しみにしてるね』
リンが満面の笑みで頷いたのを確認して、センリはその場を去った。
憧れでもあった師が火影になるというのは、弟子達にとっては自分の事のように嬉しいものだった。そしてそれを仲間と喜びあえるのは本当に幸せな事だと、オビトの後を追いかけながらカカシは一人考えていた。
[ 82/169 ][← ] [ →]
back