- ナノ -


木ノ葉隠れ確立期、発展期編

-神無毘橋の奇跡-



センリがマダラと分かれて神無毘橋に向かっている時、カカシは任務の行方の選択を迫られていた。



ミナトと分かれカカシ班の単独での作戦が始まって直ぐにリンが岩隠れの忍に拉致されてしまい、掟やルールを振り回してリンを見捨てようとするカカシと、リンを優先するオビトが衝突した。

任務を放棄して死んだ父の事がグルグルと駆け巡っていたが、カカシはオビトの言葉でがんじ絡めにされていた思考から徐々に離れていく。

そしてカカシはリンを助け出しに行ったオビトの後を追い、仲間を救う事を優先した。

「忍にとって感情よりも任務遂行する為の道具の方が大事」というカカシの考えが変わっていく瞬間だった。



仲間を守りたいというオビトとカカシの思いが重なり、それは強力な力となった。カカシは左目を潰されながらも懸命にオビトと共に戦い、そしてオビトもまた強い思いから念願叶って写輪眼を開眼していた。

無事にリンを救い出し、二人の岩隠れの手練相手に二人は懸命に戦ったがやはりその力はあと一歩というところで及ばなかったのだ。


敵の術にかかりカカシを庇ってオビトは犠牲になった。巨大な岩に半身を潰され、瀕死のオビトだったが最後の力を振り絞り開眼した写輪眼をカカシへの上忍祝いにくれてやるとリンに移植を頼む。オビトの死を覚悟したリンも意志を決め、その場で手術に及んだ。


写輪眼を左目に譲り受けたカカシは岩隠れの忍を一方的に追い詰め、そして、倒した。

しかしもうオビトは助からない。カカシは瀕死の友の姿を見てマスクの下で唇を噛み締めた。待ち伏せの忍二人は倒せたが、増援が到着してしまった。


「「(土遁・裂土転掌!)」」

「!?」

増援の気配を後ろに感じると同時に大きな岩が動き、次々にオビトに降り掛かっていくのが見えてカカシは必死にリンをそこから救い出す。


「リン…!早く行け…」

「オビトォ!!」


リンの叫び声が聞こえてオビトの姿が岩で見えなくなった瞬間、白銀の光がカカシの目の前を通り過ぎた。
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