木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-神無毘橋の奇跡-
神無毘橋破壊の任務の為にミナト班が里を出る日、センリは集合場所にカカシと共に向かっていた。正門近くの森の為途中までは一緒だ。
カカシは上忍に昇格し、今日はおめでたい日となった。表立っては言いふらしたりはしないがやはりカカシの表情は嬉しげではあった。
『カカシ、頑張ってたもんね。おめでとう』
「ありがとうございます。今日からの任務も必ず達成してみせます」
使命にも似た覚悟がカカシの瞳に垣間見えてセンリは複雑だった。しかしそれがカカシに伝わらぬようにカカシの顔をそっと覗き込む。
『何かプレゼントしないとね。上忍祝い、何がいい?』
「上忍祝い、ですか」
少しだけとぼけたようなカカシの表情にセンリは深く頷く。
「何か…くれるんですか?」
『もちろん。あっ、じゃあ……帰ってくるまでに、考えておいて!』
いい事を思い付いたというふうにセンリは人差し指を立てる。カカシにはそれが無事に帰ってきてほしいというセンリからの願いにも聞こえて、迷いなく頷く。
『一軒家とかはちょっと難しいからね。あとは一億両とかもちょっと……』
「分かっています。ちゃんと可能なものを考えておきますから」
真面目に唸り出したセンリに苦笑しながらカカシが言った。
『ん!じゃあ正門はこっちだから、私は行くね』
「はい。気を付けて下さいね」
『大丈夫、大丈夫!』
センリがどんな任務に行くかを知らないカカシは能天気に駆けていくその後ろ姿を見送った。
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