木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-うちは一族抹殺-
あの日から一週間目の夜、納得いかないながらも弟もどうにか落ち着きを取り戻し、イタチはその寝入った弟を確認する為に少し布団から顔を上げた。
あの日以来やっと夜眠れるようになったサスケは小さな寝息を立ててよく寝入っているようだった。安堵の息を吐いて反対側の布団を見るが、そこにある姿がなかった。
「…!」
イタチは弟を起こさぬように素早く起き上がり、センリの姿を探した。
「(どこに……)」
ぐるりと家の内部を見渡すように写輪眼を向けてみるが、家の中にセンリの気配はなかった。火影に呼び出されでもしたのだろうかと思ったが少し気になりイタチはそっと布団を抜け出した。
「(結界……)」
玄関は空いていてそこから外に出ると家を取り囲むように結界が貼ってあった。万が一に備えてセンリが張って行ったのだろう。イタチはセンリの姿を探し、夜闇の中に写輪眼で目を凝らす。
「……」
すると林の向こう側、センリの自宅近くを流れる川の付近に気配を感じた。センリのチャクラはすぐに分かる。イタチはどうしたのかと気になってその川辺に向かった。
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