木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-うちは一族抹殺-
『…?』
「ただいま」
玄関を開けてサスケがいつものように奥に向かって声を掛ける。その声に反応して現れるミコトだったが、その時帰ってきたのは恐ろしい程の静寂だった。
「二人共寝ちゃったのかな」
サスケは靴を脱ぎ揃えながら言ったが、センリとイタチは横目で視線を合わせていた。
家の明かりは点いている。ミコトとフガクの靴もある。この時間に両親が寝ている筈はない。
センリは靴を脱ぎ廊下を歩き出したサスケをサッと止めた。
「?」
『……ちょっと待って』
センリは不思議がるサスケを制して音を立てずに居間に向かった。
心臓が少し早く鼓動している。その呼吸音さえ響かぬようにセンリは息を潜めた。居間には灯りが点っていて障子の隙間から廊下に洩れている。
『…』
その障子にそっと手を掛け、一センチ程開けて、センリは居間を覗いた。
『!?』
その様子を見ていたイタチはセンリの異変に気付いて駆け寄った。
「…!」
イタチは居間の障子を開け放ち、センリと同じようにそこを見つめて、そして息を呑んだ。
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