木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-うちは一族抹殺-
満月の夜だ。
大きな満月を窓の外に捉えながら、センリはサスケとイタチと共に夕飯を食べていた。
ミコトはうちはのくの一の婦人会で帰りが遅く、フガクも警務部隊の仕事で毎日早くには帰ってこれない為、月に何度かはこうして三人で夜に集まる日があった。
センリとしては広い家に一人で過ごしているので、ナルトやサスケやイタチ達がこうして訪れてくれるのは喜ばしい事だった。
「センリの作る料理は母さんのより美味しい!」
サスケが好物のトマト料理を頬張りながら言う。いつもならフガクに「口にものを入れて喋るな」と怒られるところだが、この日だけはそれがない。料理を掻き込むサスケを見てセンリはニッコリと笑った。
『それは言い過ぎだね。でも嬉しいよ、ありがとうサスケ。まあこれは何年も生きてるからこそ培ってきた力だからね!』
「センリはいくつなんだ?」
『んん、かれこれ二百年くらい生きてるかな…』
「げっ、それホントか?それだったらセンリってスゲー年寄りだな」
『そうだよ!だから労わってよね、サスケ』
「でもセンリは老けてないからダメ」
『ええっ、酷いなあ。イタチは私に優しくしてくれるのに』
「えっ、オレだってセンリには優しくしてるよ!」
弟とセンリの会話を聞きながらイタチはクスクスと笑いを堪えていた。サスケがこうして素の自分を隠さずにいるのは自分とセンリの前だけなのではないかとイタチは思っていた。だからこそ自分もその時間がすきだった。
「サスケ、センリさんの手料理が美味しいのはいいが、この後家まで帰らなきゃならないんだからあまり食いすぎるなよ」
「分かってる!」
サスケは返事をしながらも結局ご飯も三杯お代わりをして食べ終わった後のお腹はぷっくりと膨れてしまっていた。
食器を洗い終わりセンリが時計を見ると夜八時を差している。ここからイタチとサスケの家までは歩いて一時間弱はかかる。もうそろそろミコトやフガクも帰ってきただろうとセンリは思って二人に帰宅を促した。
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