- ナノ -


木ノ葉隠れ確立期、発展期編

-子ども達との日常-



一方のサスケの方も突っかかってくるナルトが気に入らないようだったが、ナルトと違ってそれ程眼中に無いようだった。


アカデミーから帰ってきてごくたまに自宅でミコトとセンリが話しているとサスケは目を輝かせて寄ってくる。


「センリ!今から手裏剣術の修業に付き合ってよ」

「サスケ、センリ様はこれからまたお仕事に行かなくちゃならないのよ」


ミコトは苦笑いして息子の頭を撫でたが、サスケは納得しなかった。


「でもこの間約束しただろ」

『そうだったね。いいよいいよ。今から行こう』

「やった!」


センリの手を引いて玄関を出ようとするサスケを見てミコトは申し訳なさそうな表情をしていた。


「すみません、センリ様」

『いいのいいの!ヒルゼンのとこには影分身を行かせとくから!』


楽しみで仕方ないといった様子の息子の姿はミコトにとっても嬉しいものだったが、それに付き合ってくれているセンリには本当に感謝していた。


いつもの修業場所に行くまでサスケは嬉しさを隠しきれない足取りでセンリの前を歩いていた。


「兄さんはこの頃任務が忙しくて全然修業を見てくれないんだ」

『イタチは上忍目指して今頑張ってるからね』

「でも、だからセンリが来てくれるのは嬉しい。センリも兄さんと同じくらい手裏剣術が上手いから!」

『ふふ、それは光栄だなあ』



ナルトにも聞かせてあげたいと思いながらもセンリはこうしてサスケと過ごしているのもすきだった。うちはの人間と過ごしていると何故だか心が安らぐ。昔から世話になっているせいもあるが、サスケを見ていると何となくイズナを思い出した。

強い兄に憧れながらその背中を追う。少し甘えん坊な所もあったが、強くなる為にはつらい修業も厭わない。外ではしっかり者だが家に帰ると途端にくっ付いてきていたイズナは、表情や言動も今のサスケとよく似ていた。


帰ってきたらマダラに伝えてあげたいと思いながらセンリはサスケの小さな体を追い掛けた。
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