木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-子ども達との日常-
アカデミーに入学してから四ヶ月も経たないうちに生徒達の中でも優劣の差はついていた。
同じ頃のイタチには劣るものの、サスケの忍としての実力は同学年で抜きん出ていた。すぐにその事は広まり、同じクラスの女子達の憧れの的になった。特にサスケは容姿も端麗、兄を真似てか学校では少しクールに振る舞っている事もプラスされ、女子達がときめかないはずが無かった。
その分ナルトは落ちこぼれていてアカデミーに入ってからすぐに勉強にはついていけなくなり、組手の授業でも毎回一瞬でサスケに倒されていた。
ナルトはクラスの注目の的であるサスケを敵視し始めて何かとセンリにも愚痴をこぼしていた。
「…でさ!そしたらサスケの野郎、“弱いヤツに興味は無い”とかスカしちゃってさ!スゲームカつくってばよ!」
『ふふ、そっかあ。サスケってばクールだね』
「あれは気取ってるだけだってばよ!」
センリはその話が可笑しくて笑っていたが、ナルトの方は本当に頭に来ているようだ。
『でも、それが本当にサスケが思ってる事かどうかは分からないよ?』
自分の前とナルトから聞く話ではサスケの様子が百八十度違うので何だかセンリは不思議な気分だった。しかしナルトはフンッと鼻を鳴らして、気に入らないようだ。
「いーや、あれがあいつの本性だってばよ!うちはだか何だか知らねーけど、いつか絶対あの気取った顔を焦りでいっぱいにしてやる…」
ここに来てナルトにはもう一つ目標が出来たようで瞳に炎を燃やしていた。
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