木ノ葉隠れ確立期、発展期編
-事件発生とオビトの弟子入り-
「………いいだろう」
「!」
マダラの言葉にオビトは目を見開いた。写輪眼は黒い瞳に戻りパチパチと瞬きを繰り返す。
「ほ、ホントか!?」
「俺は嘘はつかんと前にも言ったはずだ。しかし一度決めたからには強くなるまで妥協は許さんぞ。それから俺の任務の邪魔だけはするな。弱音なんぞ吐いたらすぐに…―――」
「や、やったー!やったぜセンリ!」
『うんうん、良かったねオビト』
「話は最後まで聞け…!」
言葉を遮ってセンリと手のひらを叩き合っているオビトに文句を言うが聞いてもいなかった。
「全く………礼儀がなってない事といい、上忍にすらなっていない事といい、先が思いやられるな…」
「でもマダラといれば上忍よりずっと強くなれるだろ!」
「フン……そんな事は当たり前だ。俺が直々に面倒を見てやるのだから」
案外単純なところがあるマダラを見てセンリはふふっと笑った。
長期間一人で歩き回るのも寂しいだろうと思っていたセンリだったので、オビトが共に旅をしてくれる事は嬉しくもあった。
「明後日にはここを発つ。それまでに準備を済ませておけ。火影には俺から言っておくが、挨拶はしておけ」
「分かった!」
オビトはビシッと敬礼をしてマダラに向き直る。
「これから頼むぜ、師匠!」
「精々昔のように涙を流さんよう、努力する事だな」
「なっ、オレはもう泣かない!」
「分かった分かった。早く準備をしてこい。明後日の朝日が登る前には出発する」
オビトは嬉しさを隠しきれないように自宅に帰っていった。
「…全く、相変わらず騒がしい奴だな。あいつには教える事が色々ありそうだ…」
『ふふっ。でもこれで一人じゃないから寂しくないね』
「騒がしすぎるのもどうかと思うが…」
そこまで言ってマダラはセンリを見下ろして、ふと立ち上がる。
『?』
不思議そうな顔のセンリの前に手を差し出す。センリはその手を握ると突然マダラに引っ張られた。
『う、わっ』
センリが驚いている内にマダラはその体を横抱きにして縁側から離れる。センリは浮遊感に揺られながら、そっとマダラの顔を見上げた。
『ど、どうしたの?』
「さっきの続きだ」
『つ、続きって……』
「邪魔が入って興が削がれたからな」
『もしかしてオビトの事…?』
「…別に俺はあそこでしてやっても構わないんだが、」
『い、いえ!結構です!ベ、ベッドに行きましょう……!』
「そうだな…。お前の痴態を晒す訳にはいかんからな」
『ち、痴態………』
「まあ、今夜は眠れないと思った方がいいぞ」
『お、お手柔らかにお願いします……』
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