大筒木編
-六道仙人と陽光姫-
センリは時間があればハゴロモの中にいる尾獣の元に現れては九匹と遊び、世界の事を教え、そして育てた。
ハゴロモとセンリは尾獣一匹一匹に名前を付け、その愛称で呼んだ。
一尾から順に、体表に隈取りのような文様がある化け狸の“守鶴”。
全身を青い高熱のチャクラで覆われた猫又の“又旅”は黄色と緑のオッドアイだ。
尖った角と巨大な甲羅、海老に似た3本の尾を持つ亀に似た姿の“磯撫”。
筋骨隆々の赤い体色のゴリラの姿をし、二つの大きな牙が特徴の“孫悟空”。
白色の毛並みに数本の角、眼下の赤い模様を併せ持つイルカのような顔に馬の体の“穆王”。
“犀犬”と言う名だが体はのようにどろどろした粘液で覆われていて、カエルの両手足を持つナメクジのような姿の六尾。
“長明”はまだ団子虫のような幼虫だが大人になったらきっと大きな成虫になるだろう。
前後に四本の角が生え八本の尾に人間の上半身をあわせ持つ巨大なタコの“牛鬼”
そして尾獣の最後は“九喇嘛”でオレンジ色の人の手足と九本の尻尾を持ちチャクラの量は尾獣一だ。
尾獣たちは皆とてもかわいかった。センリは尾獣たちに、ハゴロモとハムラに、人々にそうしたようにありったけの愛を注いだ。
尾獣たちもそれに答えるように少しずつ成長していった。
過ごしているとみんなそれぞれ性格が違うことが分かった。
守鶴は一言でいうとファンキーだ。やんちゃで九喇嘛といつも喧嘩をする。
又旅は普段はおしとやかだが、一度怒るととても怖い。
磯撫は大人しくて少し内向的。守鶴に悪戯されてすぐセンリの所に泣きついてくる。
自己主張が強くみんなのリーダー的存在の孫悟空は自分の名前をとても気に入ったようだ。
穏やかで礼儀正しいのは穆王。他の尾獣より大人という感じがする。
犀犬はくだけた性格で少し子どもっぽいがいつも明るい。
長明は守鶴といいコンビでいつもノリノリ、楽しそうだ。
尾獣一頭がいいのは牛鬼。みんなの突っ込み役で守鶴と九喇嘛の喧嘩の仲介人でもある。
九喇嘛は一番センリに懐いていた。たまに素直じゃないところもあるが特にセンリを気に入っていて、いつもセンリを巡って守鶴と喧嘩するのだ。
喧嘩をやめない時はカルマが一喝する。すると二人は尻尾を丸めて大人しくなるのだった。
尾獣たちはハゴロモを父のように、センリを母のように思い、慕った。
カルマの事は自分たちより強いものということが分かっているようで尊敬し、自分たちの目標としていた。
そして地上を直しながら進む中で、尾獣たちを解放するための場所を見つけては、そこにの祠をつくった。いずれ住む尾獣たちの家だ。
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