「えっ……だ、誰?」

「きみこそ誰?」

「いや、それ私が聞いてるんですけど」

「うるさいな黙れよ」

「(なにそれー!!)」



現在形で、顔を合わせている私たち。
なんでかは分からないけれど、さっき突然知らない男の子が現れた。
………やけに、かっこいいなあ。
というか、中性的な顔立ちだ。

も、もしかしてこの人………不審者!?



「きゃああああ、誰か助け……むぐっ!!」

「黙れって言ってるだろ」

「んん、んーっ!」



その男の子に、手で口を塞がれる。
近くで見てみると、私よりも背が高かった。(あ、やっぱりかっこいい……)

目が合い、にこりと微笑まれる。
笑顔がすごく似合っていた。

……………けれど。

心なしか……手で押さえる力が強くなっていってるような……
え、これ気のせいじゃないよね?



「んんんーっ!!!(苦しい!苦しいって!!)」

「ふふ」



ぎゃああ、にこやかに笑ってやがる……!
私を殺す気か!



「あはは、苦しそうだね。面白い顔」

「…っ!!」

「なーんて、冗談だよ」



やっと解放される。
見知らぬ男の子はやっぱり笑っていた。
な、なんて危ない人なんだ……!!
私あと少しでお母さんの元へ行くところだったよ!?
や、やっぱり不審者…もとい、私の家に来た強盗かもしれない。



「なんでっ、こんなこと、するの……っ」



ぜーはーぜーはー、と息絶え絶えで質問すれば、彼はきょとんと私を見返して。
それから見下したように笑った。



「君が大声で助けを求めようとするからだろ。心外だよ、この年で強盗かなんかと間違われるなんて」

「だ、だって……!じゃあなんで私の家にいるの?」

「……………さあ?」

「さあって………なによそれ!理由になってないじゃない!!」

「まあ…実を言うと、俺、黒魔術を失敗しちゃったんだよね」

「え、くろまじゅ…つ?」

「そう」



お母さん、どうしよう。
変なことを言い出す人が現れました。




あなた変人?





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