そして昼寝後。
目覚ましを見た私は青ざめる。
窓の外は既に真っ暗。



「うわああああああ!!!」



すぐさま横を見れば、隣にいたはずの彼がいない。
そりゃこんな時間だし、流石にもう起きてるよねえ…
はあ……完全に寝坊した。

そう思いつつ、慌てて階段を駆け降りていく。



「なに、今頃起きたの」

「もう9時過ぎじゃない…!精市がベッドで寝ようとか言うからまた寝過ごしちゃったじゃん!まだ夕飯作ってないしお風呂だって……って、あれ?」

「はあ…………」



髪をかきあげる仕草に、一瞬どきっとした。
…反則だよ、そんなの。
だってだって、なんでそんなに色っぽいの?
まさか狙ってる???(……なわけないよねえ…さすがに)

っていうか、精市の髪が濡れてる……?
あれ?それにシャンプーのいい匂い…が…



「ねぼすけさん」

「うっ……」

「夕飯は作ってあるし、お風呂だって沸かしてあるよ」

「え、あ、ありがと……」

「ほら、温めておくから先にお風呂入ってきて」

「う…………はい…」



これじゃどっちが居候か分からないよ……





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「ふう……」



ちゃぽん、お風呂の中にて。
白い湯気に包まれてゆったりとお湯に浸かる私。

今日も1日疲れたなあ……………って言っても、1日中寝てただけだけど。
寝不足っていうのも辛いけれど、寝過ぎっていうのもある意味辛い。
それを実感した1日だった。



「あったか……」



ぽかぽか、気持ちいい。
今日の入浴剤なんだろ………
乳白色だから、ミルク?
いや、でも香りは薔薇っぽい…ような…?

なんて、和やかに考えていた時だった。
急に扉が開いたのは。



「ソラ、まだ?」

「!!!!!!!!!!!!!」

「…どうかした?」

「なっ、なっ、なっ……!」



決してのぼせたわけじゃないとは思うけれど、体が熱くて目眩がした。
この男、私のことを本当に女だと思っているのだろうか。



「なんで入ってくるのよ馬鹿あああああああ!!!!」

「え、あ、ほんとだ」



お湯が乳白色だったことがせめてもの救いだと思う。




王道の入浴イベント





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