「はあ……結局11時だし…」

「いいじゃないか、別に」

「…………」



もぐもぐ。

あれから私達は、遅すぎる朝食(いや、早すぎる昼食?)を頂いていた。
にこにこ笑顔の精市とは反対に、私の顔はひどい有り様だった。
顔を洗っても目元は真っ赤だし、体は笑い疲れてだるいし、もう動きたくない。
全てがめんどくさい。

今日はゆっくりして過ごそうかな………うん、それがいい。
ソファーの上でごろごろしながら本読んだりお昼寝したりして。

今日ぐらい、ぐうたらしてもいいよね?



「ごちそうさまー」

「ごちそうさま」



やがてご飯を食べ終わった私たち。

お皿洗いは精市に任せておいて、私はとりあえず洗濯物を干してしまおうと洗濯機のある洗面所へ行く。
洗濯物の入ったカゴを片手に庭へ出れば、すでに昇りきった太陽が出迎えてくれた。

さすが夏まっさかり、今日も外は暑い。
少し外にいただけで汗をかいてしまう。



「早く干しちゃお……」



そう言いながら、ハンガーを手にとった。





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「暑かったーっ!」

「そりゃあ夏だからね」



ぼすん、ソファーの上にダイブする私を見て、精市は呆れたような顔で返事をする。
たった少しの洗濯物を干すだけで、こんなにも体力を消耗するなんて……

はあ、恐るべし夏。



「今日はぐうたらして過ごすからよろしくー」

「よく言うよ、いつもぐうたらしてるくせに」

「人聞きの悪い」

「動かないと豚になるぞ」

「なりません」

「ああ、確かにそうか。ソラはもうすでに豚だもんね?」

「一言多いわ!」



コイツの場合、一言どころか二言も三言も多いけれど。



「太っても知らないよ」

「今日1日動かなかったくらいで太らないから」

「それはどうかな」

「あーもー、しつこいなっ」

「あれ?一体誰に向かって、しつこいだって…?」

「あんただよ」

「ん??」

「すみませんでした精市さま!」

「よろしい」



やっぱり彼の恐ろしい笑顔には勝てないらしい。




豚にはなりません





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