「どれがいい?」
「なんで私に男物の下着を見せるんですか」
只今、買い物中。
精市の服はもう選び終わり、あとは下着だけ…というところだった。
なぜか、私に選ばせようとしている彼。
え……なにしてんの、こいつ?
なんでこっちに笑顔を向けてるの?
「私向こう行ってていい?」
「ふふ、ここから逃げたりしたらどうなるかわかってるよね」
「すすす、すみませんでした!」
恐ろしい顔で微笑まれて、私はすぐさま謝る。
や、やっぱりこの人を怒らせると危険だ…!
そう悟った私は、おとなしく精市のそばにいてやった。
下着選びなんて絶対に嫌だから断ったけどね!
「あ、ソラのも選んであげようか?」
「余計なお世話です!!」
なんてことを言い出すんだ!
……そして、お会計を済ませたあと私たちは食料品を買うために店を移動した。
今夜はなにを作ろうかなあ。
なんて、レタスを手に取りつつ考える。
あ、これ安い。
「精市ってなにが好き?」
「焼き魚」
「………渋いね」
「文句ある?」
「いや、別にないけどさ…」
じゃあ、焼き魚は明日の朝にしよう。
なんとなく今日は魚を食べたい気分じゃないし。(それに、焼くのめんどくさいし)
「じゃあ今日の夕飯はなにがいい?」
「うわ、なにその新婚みたいな台詞」
「……なっ、なにふざけたこと言ってんの!!」
「そっちこそなに言ってるんだよ」
呆れた顔で言い返される。(なんか物凄くムカつく顔だな……!)
抑えろ、私。
ここでキレたら、今度は逆ギレされるから…!
そしたら私絶対に負けるもん。
だから抑えろ私……!!
「まあ、ソラと新婚なんて絶対嫌だけどね」
な、なにあの見下した顔…!?
ムカつくぅぅぅぅ!!!!
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