「さて、と。これからどうしようか」

「どうしようかって……なにを?」

「なにをって、あんたの事についてに決まってるでしょうが!」

「えっ、あ、ごめん……!」



友達のゆうちゃんに自分の気持ちを打ち明けた、その日の放課後。
私たちは教室で話し合っていた。

私は部活に入ってないからいつでも暇なのだけど、今日はゆうちゃんも部活がお休みで暇なんだって。



「えと、どうしよう」

「うーん……まずは仲良くなることからよね」

「……そうだよね…」



仲良くなるっていっても、どうやって?
接点とか、全然ないのに…

学年も違うから、よけいに会う機会がない。

…もし会えたとしても、なんて話しかければいいの?



「はあ………」

「…………」



この恋は前途多難、だね。





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「おーい」

「え」



あれから少したった頃。
いまだに教室で悩んでいたところに、1人の男の子が入ってくる。

それは見慣れたブンちゃんで、いつも通りガムを膨らませていた。



「なにしてんのお前ら」

「丸井こそ」

「俺は今まで仁王と赤也の勉強見てたんだよ」

「うそー!!」

「えっ、ブンちゃん赤也くんと一緒にいたの……?」

「え、え、なにこの雰囲気!一緒にいたら悪いのかよ!」

「このバカ!あたしたちも連れてけ!!」

「はあ!?」



まさか、まさか、ブンちゃんが赤也くんと会っていたなんて。
いいな……私も会いたかったなあ。

今は少しだけ、ブンちゃんがうらやましい。



「お前ら一体どうしたんだよ?」



呆れつつ、そんなことを聞いてくる彼。



「…………どうする、ひな。言う?」

「う…………」



言っていいのかな。
ブンちゃんに、この気持ちを。

……でも、きっと私のことだから、隠してもすぐにばれちゃうよね。
よく、「ひなってわかりやすいよね」ってゆうちゃんに言われるもん。



「…………言う、よ」

「そう…」



そして、深呼吸をする。
息を深く吸って、決意した。



「ブンちゃん、あのね」

「え、なに」

「私………好きな人が、できたの」

「…………は?ひなに?」

「う、うん」



目を見開いて、信じられなさそうな顔でこちらを見てくる。

………やっぱり、言わないほうがよかったのかな…
なんて、そんなことを思っていたら、ブンちゃんはにっこりといつもと変わらない表情で話しだした。



「なんだよ、そういうことなら早く言えって」

「え?」

「で、一体誰?」

「あ、えっと………赤也くん、なんだけど…」

「ふーん、赤也か。アイツ悪い奴じゃねえし、いいと思うよ、俺は」

「ブンちゃん………!」



やっぱり、話してよかったのかもしれない。
ブンちゃんなら信じられるから。



「じゃあ、丸井も協力してくれるんだよね?」

「お、おう。俺に任せろぃ!」

「よかったね、ひな」

「うん!ありがとうっ」







(2人がいてくれるなら、心強いよ)






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