今日は何日でしょう?

正解は、2月15日。
バレンタインデーの翌日。


私だって恋する乙女だからね、今年はチョコレートケーキを手作りしちゃいました!
そしてバレンタイン当日、想い人に渡そうとしたら、いつも居るはずの彼らのアジトには居なくて。
いっそのこと次の日でもいいか、と思って今日に至る。

しかしまた彼は不在で。



「犬んんんん!!!!なんで今日も骸さんいないのよおおおおお!!!」

「俺に言われたって知らねーびょん!!」

「骸さんを出せええええ!」

「ぎゃああああああ!」



がくがくがく、勢いよく犬の頭を揺する。

なんで、なんでいないの…!
チョコレートケーキ腐ったらどうするのよー!

ていうか前から思ってたけど骸さんはフラフラしすぎ!
用事があるんだか無いんだか知らないけどさあ、いつもどこへ行ってるの?



「むーくーろーさーんーはーどーこー!!?」

「痛い!痛いびょん!やめて!」

「…おや?随分ご乱心の様ですねえ」

「「………!!!」」



突然私達に声がかかったと思ったら、それは私の探し求めていたあの人だった。
すぐさま犬の首から両手を離して、彼の元へ駆け寄る。



「どこ行ってたんですか!」

「秘密です」

「む………」



またこれか。
いつもいつも秘密にして。
骸さんにも骸さんなりの事情があるのだろうから、深入りはしないって決めてたけれど……

まあいい、これは後で質問責めにするとして。
今はとりあえずチョコレートケーキを!



「骸さんが昨日いなかったから、今日持ってきたんです。バレンタインのやつ」

「バレンタイン、ですか」

「チョコレートケーキ作ってきたんですよ」

「……ああ、そういえば日本では女性から男性へ贈るんでしたっけ」

「はい!甘いもの大丈夫ですか?」

「食べられなくはないですが」



それを聞いて、さっそく持参してきたお皿に取り分ける。(仕方ないから犬と千種のも用意してあげた)
にこにこ、骸さんの顔を見ながら感想を待っていると、彼は一口含んで黙った。



「………」

「……あれ?おいしくなかったですか?」

「僕は長いことイタリアに住んでいたので贈られるより贈る派でしたが、たまにはこういうのもいいですね」

「…ってことは、」

「なかなかの味です」

「ほんと!?」

「ええ」



心の中でガッツポーズ。
これはきっと好感度もあがったことだろう。

いつか、骸さんも私と同じ気持ちになってくれることを願って。





1日遅れのバレンタイン

(クフフ、お返しは何がいいですか?)

110215


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