「なんで遅れた」

「すっ、すみません」



今日は2月15日、いわゆるバレンタインデーの次の日です。
…そんな日に私はツナの家で正座をしていた。

いや、別に強制されたわけじゃないけどね!?
なんとなく正座しなきゃいけないような雰囲気だったからしただけだよ!



「おい」

「ひいっ」

「……なにその反応」

「えっ、えっ」

「なんでビクビクしてんの、ってこと」

「い、いや、だって私怒られてるみたいだから…」

「は?怒ってないよ」

「ええっ?」



って怒ってないのかよ!
だってチョコレートを渡してからずっと恐い形相で睨んでくるから、てっきり怒ってるのかと…

やめてよそういうの…!
勘違いしちゃうじゃん!

…ていうか、怒ってないならなんで恐い顔してるの?
え、おかしくない?
やっぱり怒ってるんじゃないの?



「もしかして、チョコレート嫌いだった…?」

「…嫌いじゃ、ない、けど」

「そ、そっか、よかった」



じゃあなんで恐い顔してるんだよおおおおお!!!

ツナの彼女になって数ヵ月経つけれど、未だによく彼のことが分からない。
よく十代目って言われてるけどなんの?とか、なんでスラスラ喋る赤ちゃんと一緒にいるの?とか。
本当に知らないことだらけ。

……でも、ゆっくりゆっくり知っていけばいいかな、なんて思ってた。
けど………今日の態度はなんなの?



「私、なにかした?確かにチョコレート渡すの1日遅れちゃったけど……」

「だーかーらー!怒ってないって言ってるだろ!」

「だ、だって恐い顔してるじゃん」

「…っ!こ、これは…!」



ぷいっ、そっぽを向くツナ。
対する私は、クエスチョンマークを頭に浮かべていた。

これは…聞くなってこと?
え、つまり察しろってことなの?

そう考えて、じいっと彼を見つめてみる。
すると、耳が若干赤くなっているのが分かった。



「あっ!もしかして照れ…」

「それ以上喋るな!」

「………かわいーっ!」

「うるさいっ!」





1日遅れのバレンタイン

(あなたの意外な一面を見れた)

110215


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