「いいのか?本当に」

「うん、今は傍にいてあげたいの」



夜も明け、漸く落ち着いた私の、まともな思考回路が戻ってきた頃。

私は皆を屋敷へと帰した。
任務もあるだろうし……ね。
あいにく、今日私には任務が組まれていない。
だから、私はただ一人綱吉の病室に残った。


さっきシャマルさんにも見せたんだけど……(かなり嫌がってたけどね)

どうやら、一晩でもう状態は落ち着いたらしい。(さすがボンゴレ医療班)
だから……
後は目覚めるのを待つだけなのだ。



「…………」



……………安らかに眠る彼。

その姿を見てると、何故か安心できた。
近くに綱吉がいるだけで、私は幸せになれるみたい。


そして、思い出すのは過去の事。



日本からイタリアに来て、ボンゴレファミリーに入って。
実力を認められて、ボスの秘書という大役に就いて。

今思えば、色々な事があった。


それから……綱吉に惚れられて。

私も、いつのまにか綱吉が好きになっていて。


あの頃は、綱吉のアプローチが凄かったっけ…

思い出すだけで顔が染まる。



大好きな、大好きな私の彼。
早く、目覚めてくれないかな……








「ゆり、」



そう言って現れたのは、守護者の皆だった。



「な、何で?まだ朝…」

「はあ、馬鹿だね。もう夜なんだけど」

「え!!!?」



くるり、振り返って時計を見てみる。
すると、さっきまでは朝の5時だったのに、今はもう夜の7時だった。

い、いつのまに…!!!



「ゆりはもう帰っていいよ」

「え、雲雀さん…!?い、嫌です!」

「でも、昨日からずっと寝てないんでしょ」

「……っでも、」

「良いから。君は僕たちに任せるんだ」



雲雀さん、群れるの嫌いなのに……

そう考えたら雲雀さんは、



「今日は………我慢するよ」



なんて、私の心を見透かしたようにそう言った。



「ありがとう、ございます……」



そして、部屋の外に出ようとした、

その時。



「…ん………」



眠っているはずの彼から声が聞こえてきた。





目覚めの時

(起きた、の……?)






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