「一体なんの騒ぎ……?」
余りにうるさいので、ガチャ、と扉を開いて廊下に出てみた私。
すると、
「ゆり……!!!」
ちょうど隼人に出くわした。
「隼人、どうしたの?」
「い、いや、その…」
「…もう、ちゃんと言ってよ!」
やけに慌てていて、かなり動揺してるのが伝わってくる。
なんだかいつもの隼人らしくないような気がした。
「………じゅ…十代目が…っ」
「?」
「危篤、なんだ……っ!!!」
「え!!!?」
き、とく………!!?
あれから私は、綱吉が運ばれたという病院に急いで駆けつけた。
目の前には、【手術中】という赤く光る文字。
………中に、綱吉が居るんだって…
「い、や………っ!綱吉っ!!!綱吉ーっ!!!」
「ゆりっ」
隼人は、叫ぶ私を止めてくれていた。
でも、その声さえも私には届かない。
今は何も考えられなかった。
ただ一つ、綱吉の安否だけが心配で。
「な、んで…?どうして綱吉が…っ」
だってだって…!
ただ単に、会議に出るだけだって言ったじゃない!!
それなのにどうして……!
…そんなことを考えていた時、
「………終わりました」
と、医師の声がした。
そして、ライトの赤い光が消える。
「手術…終わったの……?綱吉は…?」
「…一応、一命は取り留めましたが………まだ安心できません」
「!!!」
その言葉を聞いた途端、今まで一生懸命堪えていたはずの涙が溢れてでてしまった。
綱吉、どうしてあなたがこんなことになっているの?
お願い、神様
(どうか…っ)
(どうか彼を助けて…!!!)
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