誰、なの、あの女の人は。
なんで私と顔が似ているの?
世界に3人くらいは似ている顔の人がいるっていうのは有名な話だけれど、それにしてもこれは似すぎなんじゃ……
見たところ、顔立ちだって背格好だって私に限りなく近い。
髪型がストレートなのかウェーブなのかで違っていただけで、その他は大体同じ気が――――……
ばくばくと音をたてる心臓を必死で抑えようとする。
でもそれはなかなかおさまらなかった。
「あまりにも似ている……知り合いですか?」
「まさ、か。私あんな人知らない……」
「…………」
「骸さん、私この間も綱吉とあの女の人が一緒にいる所見たの」
「それはどういう……」
「わ、分からない…っ」
こわい、こわいよ。
もしあの女の人が綱吉と深い関係にあったらどうしよう。
私まだ彼のこと諦められてないのに…
それなのにもしあの2人が恋人同士だったりしたら…!
………ううん。
そんなことは絶対にないと信じよう。
心配しなくてもきっと大丈夫。
あの女の人はきっとマフィア関係の人に違いない。
ただ知り合いなだけ。
うん、きっとそう。
そうに違いない。
「……とりあえず屋敷へ戻りますか」
「はい……」
そうして私たちは屋敷へと戻っていく。
みんなが集まっているらしいから、早く戻らなくちゃ。
きっと綱吉も……そこにいる。
あの女の人、も。
きっと。
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私たちが応接室へ行くと、案の定みんなが集まっていた。
綱吉も、もちろん女の人も。
みんなが一斉に私の顔を見るものだから、一瞬たじろいでしまった。
でもよく考えてみれば当たり前だよね、私と同じ顔した女の人が綱吉の隣に寄り添っているのだから。
「ずっとみんなに紹介しようと思ってた」
しばらくして綱吉が話し始める。
みんなは何か言いたそうな顔をしていたけれど、静かに彼の話を聞いていた。
「彼女はルイ。みんなもカルーアさんの事は知ってるだろ?ルイはカルーアさんの孫なんだ。………そして、」
ごくり。
息をのんで次の言葉を待つ。
なにを言おうとしてるの?
こわい、こわいよ。
その先を聞いたら、なにかが崩れてしまいそうで……
「俺の婚約者でもある」
その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中は真っ白になった。
突然の婚約発表
(なに、それ……どういうこと……?)
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