「隼人の車、相変わらずタバコ臭いねー」
「嫌なら降りろ」
「ふふ、ごめんなさい」
入院生活5日目の今日、私は晴れて退院しました。
迎えに来てくれたのはたまたま今日休みだった隼人で、久しぶりに乗せてもらった彼の車は相変わらずの匂いがした。
「朝早くからごめんね。せっかくのオフなのに」
「…十代目があんな状態じゃ仕方ねえだろ」
「………うん、そうだね」
いつもは綱吉が送り迎えをしてくれていたけど、それは恋人同士だった頃の話。
今はもう、そんなに親しい関係じゃないから。
彼にあまり甘えちゃいけない。
……それに、私も一応は運転免許証持ってるしね。
今からボンゴレ本部に戻るんだと考えたら、少し胸が踊った。
仕事たくさん溜まってるだろうなあ。
ふふ、頑張らなくちゃ。
「そういえばリボーンさんがお前に用があるって言ってたぞ」
「え?……なんだろ」
とりあえず本部に戻ったら、会いに行ってみよう。
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「リボーン………?」
「ああ、来たか」
そして本部にて。
隼人の車から降りた私は、真っ先にリボーンの元へと向かった。
書類でも見ていたのか、手に持っていた分厚いファイルを閉じて私の方へと視線を流す。
「なにか、用?」
「用がないなら呼ばねえぞ」
「う……確かにそうだけど」
「今日お前は休みだ」
「え、ええっ?」
休み?
え、私仕事溜まってるはずなのに…
「リボーン、私は働ける」
「駄目だ。病み上がりだからな。今日1日休んでストレス解消してこい」
「わ、私ストレスなんて…っ」
「いいから休めって言ってんだろ撃つぞ」
横暴すぎる彼の態度に呆れて溜め息が出た。
この人は絶対に一歩も引かないだろう。
仕事……さっさと片付けたかったけど…
リボーンが休めというなら休んだ方がいいんだろうな…
「それにツナも今日はいねーしな。どっちにしろ秘書であるお前にやることはねえんだ」
「……どこかに行ってる、の?」
「…さあな」
「…………」
なんだろうこの感じ。
なんか引っかかる……
綱吉はどこへ?
「まさかまた隠れて抗争を止めに行ったとかないよね…?」
「ああ、それはないぞ」
「そか……」
「とにかく、お前は買い物でもして休日を有意義に過ごせ。クロームも休みにしておいた」
「……うん、わかった」
そう頷いて、部屋を出る。
せっかくの休みだもの。
たくさんお洒落して、久しぶりにクロームとお出かけしてみよう。
今日のところは
(とりあえずお休み、みたいです)
(仕事やる気満々だったのにね)
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