「よし、潜入成功だな!」

「うるせぇぞ山本」



そして次の日の昼下がり。
私とリボーンと武は、ルイスというファミリーのアジトに潜入していた。
今回の任務は、そのファミリーの幹部の一員である男性の暗殺。

名前は、タガール。
マフィアにしては細めの男性で、ルックスもなかなか良い方。(…だと思う、個人的に)
しかし頭が相当キレるらしい、幹部という地位にあがれたのもその頭脳があったからだと言える。



「よし、ここから下に降りるぞ」



リボーンの合図で、私たちは排気口みたいなところから、屋敷内へと降り立つ。
意外にもすんなりと侵入できたことに、私は不信感を抱いていた。
見張りはあちらこちらにいるものの……………

いや……考えすぎ、なのかな。


まあいいか、と腰に装着してある銃に手を添えれば、余計なことを考える余裕はなくなった。
……そう、今は仕事に専念すべき。
じゃないと逆に自分の命が危ない。
今まではいつだって綱吉が守ってくれてたけれど、今はもう、彼は私の隣にいないのだから。

自分の身は自分で守る、そんなことくら………



「……ゆり?」



不意に、目の前が真っ白になる。
床に崩れるように膝をつき、頭を押さえた。



「どうした」

「ん…立ち眩みしただけ」

「……しっかりしてねぇと命落とすぞ」

「わかってる、よ」



ちゃんと、わかってる。

…でも実のところ、リボーンの言葉は頭の中に入ってきていなかった。
なぜか視界が、ぐらぐら揺れて。
ふるふると頭を振ってみても、視界はぼんやりとしたまま。


……だめ、だめよ、
集中しなさい自分。

さっさと終わらせて本部に戻るんだから、



「いくぞ」



声を出す代わりに、こくりと頷く。
いつの間にかもう例の男の部屋の前だった。(部屋のすぐ近くの排気口から出たのだから当たり前だけど、)
恐らく奴は中で、部下と共に書類整理に追われているはず…


いよいよ、だ。


今から、私たちは任務を遂行します。





久しぶりの任務

(ぐらぐらする体を必死で支え、ドアを開けた)






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