侵入者がいるとの報告があってから、数分たったころ。
俺は自分の部屋で、敵の到着を待っていた。
隼人やリボーンは下がらせて、俺1人で………と思ったのだが、なぜかあの秘書も俺と共に部屋に残っている。



「部屋には俺だけでいいって言ったはずなのに、なんでお前がいるんだよ」

「あ………えっと、秘書ですので」

「………はあ」



秘書、ってお前なあ。
それとこれとは関係ないだろ。
秘書というのはボスである俺の仕事(主にスケジュール管理や書類関係)を補佐すればいいのであって、今みたいな敵襲のときなどは控えていてもいいのに………(特に今回は弱そうなファミリーだしな)
そりゃ、たまには秘書にだって暗殺とかの任務はあるけどさ。

………まあいいか。
いてもいなくても変わらないし。



「百歩譲って部屋に残るのは許すとしても、奴らが来たら大人しく端のほうにいろよ」

「わ、わかってます」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」



しばしの沈黙が続く。

なんかこいつ……喋りづらい。(てか会話が見つからない)
なんだよ、リボーンたちとは普通に仲良く話してるくせに……
俺とは話せないってことか?

しかも全然笑わないし。

…………俺が橘のことを忘れてるから?
だから態度が違うわけ?

それとも………これは昔から………?


……なんていろいろと悩みつつ、俺は彼女の表情を伺うようにちらりと目をやる。

…………やっぱり、なにか思い詰めた感じの顔だな。
一体なにを考えているのかなんて、俺には全然わからないけれど。
でも、ふと気がつくといつのまにか、こいつはこういう悲しそうな表情をしてる。



「おい」

「っ!!……は、はい?」

「なにびくついてんの?」

「いきなり話しかけられたので驚いただけです……すみま、せん」

「……別に謝らなくてもいいんだけどさ」



なんなんだよ、この雰囲気……
これじゃまるで、話しかけた俺が悪いみたいじゃん…!



「あー……それにしても外は騒がしいな」

「そうですね」

「ったく、リボーンたちはなにをして………………っ!!」



その瞬間、自分の脳がなにかを告げる。
俺の超直感は、誰かがこの部屋に近付いているのを教えていた。

もうすぐ…………来る。
このボンゴレに強襲してきた、身の程知らずの馬鹿な奴らが。



「来るぞ、橘」

「……………はい!」



(バンッ!!)

そしてドアが、勢いよく開いた。





憂鬱な待ち時間

(やっと相手の登場、ってわけか)






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