「……で、後は敵ファミリーの事だな」
色々と話し合った後、ついにその話がやってきた。
綱吉を傷付けて、彼をあんな風にした憎きファミリーの、これからの対処の仕方が。
「僕がやりましょう」
そう言って、手を挙げる骸さん。
皆の視線が彼に集まった。
「クフフ、綱吉を襲った奴らを消せば良いのでしょう?たやすいことだ」
「わ、私も着いていきたい……!!」
「ゆり、貴女は駄目です」
「何で!?」
私も敵討ちをしたい。
私の手で、彼を傷付けた奴を倒したい。
なのに、なんで…!?
「そうだな。俺も骸の意見に賛成だ」
「リボーン!どうして!?」
「お前は元から暗殺とかに向いてないだろう」
確かに私が得意とするのはデスクワークだけど、それでも私はボンゴレファミリーに恥じない力くらいは持ってるはずなのに……!
「それに、お前までツナの二の舞にさせたくない」
「……っ」
そこまで言われて、言葉を失った。
ごめんねリボーン。
気遣ってくれてありがとう…
「じゃあ……骸さんに任せる、ね?」
「ええ。ゆりは綱吉の看病でもしていなさい」
「うん……!!」
「さて………そうと決まれば全は急げです。さっそく行動を始めましょうかね」
その彼の一言で、会議は終了した。
そして、私は綱吉の元へ行く準備をする。
果物とか、持って行ったら食べてくれるかな……?
なんて考えていたら、
「あ、ゆり!俺達も行くぜ!」
ぽん、と私の肩に片手を乗せながら、爽やかに言う武。
隣に隼人もいた。
「ありがと」
「あんなこともあったことだし、お前と十代目を二人きりになんて出来ねぇからな」
「う、うん」
あんなこと、とは多分私が追い出されたことを指すんだろうな…
その優しさが、心に染みる。
「じゃ、行こっか」
「おう!」
愛しい彼の元へ
(拒絶されてもいいの)
(私、精一杯頑張るから…)
(だから、どうかそばに居させて)
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