次の日の早朝。
ボンゴレでは、守護者とリボーンと私だけを集めた会議が行われていた。
そこで新しく知らされる、彼の状態。
記憶は、約3年前から今までのものが無いらしい。
それがちょうど……
私がこのボンゴレに入った時期だった。
実力を認められて、彼の秘書になった頃。
大好きな彼に、好きだと言われた頃。
その頃の思い出が、なにもかも、消えた。
目頭が熱くなって、涙が出そうになったけれど、それを必死で食い止める。
それに、今泣いたりしたら、ここにいる皆が困ってしまうもの…
「無理は、しなくて良いんですよ?」
「大丈夫です、もう、大丈夫ですから…」
何で骸さんはこんなに優しくしてくれるの?
前なんて、雲雀さんと同じくらい綱吉と喧嘩ばかりしてたのに。
どうして………
「とにかく、今考えるべきなのはアイツのこれからと、敵ファミリーの事だな。あとは……ゆりの事」
リボーンは冷静に物を考えていて、こういう時、凄く頼りになる。
私の周りには、そんな人ばっかりで……
いつも、助けてもらってばっかりだ。
……そんな事を思いながら、昨夜の決意を口にする。
「あの、ね。私、今までと同じように、綱吉の秘書をやりたい」
「…………いいのか。アイツはお前の事なんて少しも覚えてないんだぞ?今アイツのそばにいれば、傷付くのはゆりだ。…今までの関係を捨てる覚悟が、お前にあるのか?」
「それでも……もし酷い事言われても……私、彼のそばにいたい。もう離れたくないの」
覚悟、とか言われても私にはそんなもの無いよ。
でも、それでも、彼から離れたくない。
………それだけは強い決意。
「それにね、私、諦めない事にしたの」
きっといつか思い出してくれるって、私に笑いかけてくれるって、信じてるから。
「…ゆりらしい答えだね」
「雲雀さん……」
「よし!そーゆー事なら頑張れよ、俺達も力になるからな!」
「ありがとう、武…!」
私、幸せだ。
こんな仲間に囲まれて、
本当に幸せだ……
わたしの決意、仲間の優しさ
(綱吉が笑いかけてくれたら、)
(そしたらもっと幸せなのに………)
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