「はいはい、どいてー」 「んー」 今日は12月31日、お坊さんも大忙しの大晦日。 そんななか私は、我が家の大掃除をしています。 「使用人に任せればいいのに…」 「今日くらい楽させてあげたいでしょ?」 「それが仕事なんだから仕方ないだろ」 「はあ……」 この口うるさいやつは私の旦那さま、綱吉さんです。 もっとも、いつもは呼び捨てだけれど。 元々、私たちは単なるお隣さんだった。 それからマフィアとかボスとかいろんなのが絡んできて、彼がボンゴレ10代目になって、でも腐れ縁というか、なんというか………気が付けば好きになっていて。 いつの間にかイタリアで、式を挙げていた。 いつまでが新婚さんというのか分からないけれど、今、私たちは結婚2年目です。 「もう掃除はいいって、充分キレイだろ」 「そんなこと言って……めんどくさいだけでしょ」 「……チッ」 「はあ、」 舌打ちする綱吉に呆れて、私は盛大にため息をつく。 倦怠期というわけではないけれど、最近はこんなことばかりだ。 呆れてものも言えないというか…うん。 ………なんて思っていたら、いつの間にか綱吉に背後を取られていた。 ぎゅう、腰のあたりに回された腕が私をきつく締めてくる。 「なに、よ」 「朝から掃除ばっかり」 「それが不満なの?」 「ここはイタリアだろ、風習が違うんだから掃除なんて…」 「でも、大掃除くらいするでしょ?やっぱり年明け前にはキレイにしたいじゃない」 「……」 「そんなに構ってほしいの?」 「っ!ふざけんなよ、誰がそんな子供みたいなこと思うか!」 「はいはい」 「っ、もういい!」 「ふふ、」 ぷいっ、そっぽを向く彼がすごく可愛くて、つい笑ってしまう。 呆れちゃうけれど、やっぱりこの人は私の旦那さまだし、私はこの人を愛してる。 それは変わらないかな、なんてね。 しょうがない、そろそろおしまいにしようか。 イタリアにて、大晦日 (お掃除終わったら、たくさん甘えさせてあげる!) 1231 戻る |