ガラガラ、と扉を引いて職員室を後にする。
すっかり夕日に染まった廊下を三人で並んで歩いた。
校門に行けば、ぽつんと一人で立っている隼人くんが。
ああ、やっぱり待っていてくれたんだ……
隼人くんのツナくんに対する忠誠心ってすごいなあ……なんて関心する。



「十代目ー!」

「あ、獄寺くん」

「お疲れ様っス!」

「うん」



そして、四人で歩きだす。(武くんは今日部活が珍しくお休みらしい)
こうして歩いていると、たくさんの男の子の中に私だけ女の子で……なんとなく逆ハーみたいな感じだ。
もう馴れてしまってるから今更ドキドキなんてしないけど。
それに、ドキドキというよりも、四人でいると楽しいのほうが勝るのだ。
中学からの腐れ縁、に近い形だけど、私はこの関係がとても好き。
だからこれからもこうして、皆でわいわいと楽しく過ごせたらいいなあ、と心から思う。

きっと、大丈夫だよね?
なんたって私たちファミリーだもん。



「あ、そうだ隼人くん」

「あ?なんだよ」

「明日、皆で勉強しない?」

「………はあ!?」

「お、いいなそれ!俺賛成!」

「なっ、お前の意見は聞いてねえだろ野球馬鹿!」

「うるさいよ獄寺くん」

「ひいいっ、十代目!!!」



武くんに食ってかかる隼人くんを、冷たい目で(というか鋭い目で)睨むツナくん。
そのせいで、すっかり隼人くんは大人しくなった。
ここらへん、妙に上下関係がはっきりしてるというか、なんというか……
まあとにかくすごい。(なにが、とは言わないけど)



「………でも、なんでいきなり勉強会なんだ?」

「うっ………あ、あのね、私たち来週追試なの。どうやら赤点取っちゃったみたいで、」

「ああなるほど、」

「だからね、隼人くんに先生頼みたいなあ、なんて………………えへ」

「えへじゃねえだろ、えへじゃ。………まあいい、十代目がご一緒ならしょうがねえ、やってやるぜ」

「わっ、ありがと隼人くん!」

「助かるよ、馬鹿二人相手じゃさすがの俺でも手に余るし」



…………あれれ、今なにげに酷いこと言われたような。
もしかして馬鹿二人って私と武くんのことですかツナくん!?
そ、それはいくらなんでも酷すぎだよ…!(武くんも笑ってないで言い返したほうがいいよ!)
確かに馬鹿だけど。
馬鹿だけども。
でも私、今回の赤点は数学だけなのに……(いつも数学だけだけど)
だから追試は数学だけなのに……
まあ、他の二人はどうなのか知らないけど。



「じゃあ明日私の家に集合ね!」



なんて言って、二人と別れる。
ツナくんと私は皆と別の道だからだ。
そして歩きだすと、前方にかすかだけど私の家が見えてくる。(ちなみにそのもう少し奥に行ったところに沢田家はあります)
じぃっと彼の横顔を見つめていたら、どうやらその視線に気付いたようで、こっちを振り返った。



「……………なに?」

「え、別になんでもないよ?」

「ならずっと見てるなよ」

「あはは、ごめんごめんっ」



少し頬が染まっているところをみると、多分恥ずかしかったんだろうなあ。
そんな姿にも、ちょっと可愛い、とか思っちゃったりしてる私はもう末期だ。





帰り道の照れ顔
(ほら、さっさと帰るぞっ)
(ラジャー!)
(……なんだよその恥ずかしい掛け声は)






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