「あ、ねぇツナ君!今日家に行っていいよね?」



そう聞いてきたのは、帰り道、彼女と二人で歩いていたときのことだった。
………そして、午前中で学校が終わった俺達は今、俺の家でまったりとしている。


でも……………



「みつき姉ー!あそぼーっ」



まとわり付く子供達がうざい。
うざすぎる。



「あ、そっか!今朝約束したもんね、」

「うんっ」

「じゃあ、あそぼっか!」

「いや、まてまてまて」

「……?なぁに?ツナ君」

「せっかく家に来たのに、こいつらと遊ぶのかよ?」

「え…あ、うん……」



気にくわない。
それが今の気持ちだった。

だって、せっかく俺の家に来たんだろ?
だったら少しくらい俺と遊べよ……

………ってもう、遊ぶという年頃ではないのだけれども。



「………」

「ツ…ナ、君?」

「………なに」

「なにって……こっちが聞きたいよ!なにそのかまってオーラは!」

「…っ!」



みつきにかまってもらいたい。(遊んでもらいたい?)
そうは確かに思っていたけれど、まさか鈍感すぎるこいつに言い当てられるとは思っていなかった。



「ツナ君………?」

「…………」

「もうっ、拗ねてないで何か言ってよー!」

「拗ねてねぇし!!」



なんで俺が拗ねてることになってるんだ!
ありえないだろ!



「……だって、顔そらしてるもん」

「は………!?」

「私、知ってるよ?照れてる時と、怒ってたり拗ねたりしてる時にツナ君は顔をそらすの」

「………」



意外にこいつ、俺の事見てるんだな………って、当たり前か。
昔からの幼なじみだもんな…

そして、今では誰よりも大切で愛しい、そんな存在。



「みつき……」

「な、なに?……っ、きゃあ!」



ぐいっ、と自分の元へ引き寄せると、油断していたみつきはすんなりと腕の中に収まった。
…………ただ、じたばたと暴れているけれど。



「はーなーしーてー―――!」

「やだね」

「く、くるしいってば!」

「あっそ」

「ツナくん――――っ!」

「………いい加減、黙らないとその口ふさぐぞ」



(もちろんキスで。な?みつき)

なんて、わざと耳元で低く囁いてやったら、彼女は顔をこれ以上ないくらい真っ赤に染めた。

予想通りの反応に、思わず顔がにやける。



「いっ、意地悪――――――!!!!」



………まもなく、そんな叫びが響き渡った。





好きすぎて、盲目

(ツナ兄たち………すっかり僕たちの事忘れてるねぇ…。ランボ、向こう行こっか?)
(えー!!!俺っちはみつきと遊ぶ―――っ!!)
(だめだよ邪魔しちゃ!)






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