今日もまた、あの人がやってきました。



「お久しぶりですねみつき!」

「骸さん……」



……そう、わざわざ転入してきた人とは、この骸さんのことなのです。
黒曜の高校に進学したはずなのに、何故か並盛の高校へ。

………ほんと、何考えてるのか分からない人だなぁ…?



「淋しかったんですよ、夏休みはみつきに会えなくて」

「嘘はやめてください。普通に私の家に押しかけて来たじゃないですか!」

「…あぁ、そんなこともありましたっけ?」



うわぁこの人忘れてる!!
何回も来たくせに忘れてるー!



「もう!」

「ああっ!拗ねないでくださいっ」

「すねてませんー!!」

「いや、拗ねたみつきも可愛いんですけどね」

「だから、すねてないってばー!!」



ほんとにこの人と係わり合うと大変だ……
今も、たくさんの人がこっちを見てるし。

骸さん目立ち過ぎるんだよーっ!



「骸さんはもう帰ってください」

「えー、もう少し話しましょうよー」

「こっちがえーって言いたいくらいですよ!!」

「だって、帰ってもクラスにみつきがいないんですもん……」

「当たり前だー!!!」



私1年!貴方は3年!
同じクラスだったらおかしいでしょう!?



「いい加減にしろよ、骸」



静かにそう呟くツナくんは、クラスの人にバレないように気をつけつつも、ものすごいオーラをだしていた。

にっこり、表面上は笑っているけれど、明らかに無理して微笑んでる。



「みつきは、俺のものだから。いちいち会いに来んなよ」

「………僕はあきらめてませんよ?」

「未練がましい奴……」

「どうとでも言いなさい。君なんかにみつきを渡し…「あっ!!骸――――!!!!」」



廊下から響く、聞き慣れた声。
それはあやめ先輩のものだった。

…あやめ先輩は骸さんのクラスメートで、とても明るい方です。
そして、いつも骸さんから私を助けてくれる。
高校に入ってから知り合ったのだけれど、とても先輩は頼りになるので、私は大好きです。



「みつきちゃん、ごめんね…また骸が、」

「あ、いえ!大丈夫です!」

「ほら骸、謝りなさい!」

「いっ、いたっ!!!!痛いですよあやめ!!そんなに耳引っ張らないでくださいってば!!」



あー………
さすが先輩、強いなぁ…





諦めきれない男

(さて、と……教室に戻るよ)
(え―――!!)
(えーじゃないでしょ骸!)






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