「ツナくん朝だよ!遅刻しちゃう―!!」

「うるさ………あと3分…」



空も青くて、清々しい朝。
それはいつも通りの朝だった。

こうして登校する前にツナ君の家に寄っていくのも、いつも通りで。



「だーめ!!起きなさい!」



朝は弱いらしく、いつものようにうなりだした彼の掛け布団を勢いよくめくる。
すると睨まれた。



「何すんだよみつき…」

「起きて!今日からまた学校でしょーっ」



………そう、今日から私たちは新学期なのです…!

やっと想いが繋がって、これ以上ないってくらいの幸せに包まれて。
それから、馬鹿だけど必死で勉強して、ツナ君たちと同じ高校に入学して。
彼とはまた同じクラスで、その中にはおなじみの皆もいて。

そうして、中学の時と変わらずに今までを過ごしてきた。
………そんな、幸せな日々を送ってきた私。


でも、楽しかった夏休みも昨日で終わり。
…………な の に!
私の彼は起きる気まったく無し。
もう、ほんとに困った子なんだから…!!



「新学期早々遅刻なんていやだからねっ」

「ん――――……」

「こらそこ!また眠らない!!」



そう言って彼の腕を掴もうとする。
すると、逆に掴まれ引っ張られてしまった。



「ちょ…っ、ツナ君っ」



きつく、ぎゅっと抱きしめられて、思わず顔を赤くする私。
ツナ君の顔が物凄く近くにあって、変にドキドキした。

て、ていうか、何この体制………!!!?



「起きて――――っ!!」

「やだ」

「!!?」



ま、まさかっ!



「ほんとは起きてるんでしょ!?」

「あ、バレた?」



その瞬間、いたずらな笑みをしながら起き上がる。
ようやく離してもらえる………と思ったら、今度は向かい合うように膝の上に乗せられた。



「やめてよ!」

「なんで?」

「が、学校遅刻しちゃう…っ」

「いいだろ、そんなの」



いやいや、全然よくないよ!!



「もう……ほら、着替えて!」

「みつきが俺のこと着替えさせてくれるならいいけど」

「馬鹿!何考えてるの!」

「………チッ…」



そして、舌打ちをしてやっと立ち上がったツナ君をよそに、私は彼の部屋から出た。





騒がしい朝、再び

(きゃー!!もうこんな時間!!?)






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