そして月曜日。
ようやく追試の日がやってきました。

ざわざわざわ、騒がしい朝の教室で私は数学のノートを見返している。
追試は放課後だもん…
それまでに公式を再暗記しなくちゃ。



「みつき?」



誰かに話しかけられたかと思えば、それはツナくんで。
いつもどおりの演技で、ヘタレっぽいダメツナを装っている。
「なにー?」とノートから目を離さずに返事したら、ノートを奪われた。



「お前いい度胸だな」

「ひっ!」



適当にあしらったことに腹を立てたらしい彼は、とっても低い声で耳元に唇を寄せた。
…………もちろん、耳元で喋ったのだからクラスメートがツナくんの台詞を聞いているわけがない。
あいにく私の席は窓際の一番後ろだし、それに隣は空席だし。(すごく快適な席なんだけどね!)



「ツ、ツナく、ん!!それやだっていつも言ってるのに…っ!」

「え?俺何かした?」

「…っ、ずるい!」

「???」



小首をかしげるその仕草は、計算しつくされたものだ。
ずるい。ずるすぎる。
自分の都合が悪くなるとすぐダメツナモードになって!

………なんて考えていた時、「席につけー」と言いながら先生が入ってきた。
それまでうるさかった教室はあっという間に静かになる。



「今日追試のある者は放課後、絶対に残るように」



……はあ…………憂鬱だなあ……





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そして放課後。
私とツナくんと武くんは教室に残っていた。
他のクラスにもちらほらと追試の人がいるみたいで、周りの教室も電気が付いている。



「先生まだかなあ」

「ん?用事でもあるのか?」

「今ね、お母さんが帰ってきてるんだ!」

「へえ、そっか。よかったのな!」



ニカッと笑う武くん。
ああ、笑顔が眩しい………

対してツナくんのほうはというと、机に突っ伏して寝ていた。
余裕だなあ………
きっと彼のことだから、今回の追試は合格点ギリギリで合格できるように調節するのだろう。
さすがツナくんというかなんというか………。



「おまたせ、追試始めるぞー」



うん、私は私なりに頑張ろう。





追試スタート

(おおっ、この問題なんとなく分かる気がする!)






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