急に帰ってきたお母さんに、キスシーンを目撃されてしまった私たち。
絶体絶命のピンチです。
私まだツナくんとの関係を話してないよどうしよう…!
ていうか話す前にバレちゃった!
これ明らかに気付かれたよね!!?
うわあああ恥ずかしいーっ!!
「あらあらあら!」
「お、お母さ、これは、その、」
「ふふふ、やあだツー君たらもううちの娘に手を出しちゃったのねー!」
「あ、はい、まあ」
いやいやいや!
親としてその反応はないでしょう!?
そしてツナくんもあっさりと肯定するなああああ!
動揺してる私が馬鹿みたいじゃないですか…!(こんなにもドキドキしてるのにっ)
「まったく、そんな所で立ち話してないで早く中に入りなさい」
お母さんの後ろから、ひょこっと姿を現した呆れ顔のお父さん。
それを見て、お母さんは「はーい」と素直に返事をしたかと思えば、ツナくんを引っ張ってリビングへと消えてしまった。
まさか、根掘り葉掘り聞くつもりなんじゃ…
お……お母さんだったらあり得る…!
怖い。怖すぎる。
そう思ってリビングへと走り出そうとした、その時だった。
たくさんの荷物を持ったお父さんが話しかけてきたのは。
「みつき」
「…えっ、あ、うん!なあにお父さん」
「お前にもとうとう彼氏かあ、成長したんだな」
ぽんぽん、お父さんに頭を叩かれる。
少し恥ずかしくなって、俯いた。
ごめんねお父さん。
私、結構前からツナくんと付き合ってたんだよ…別に隠してたわけじゃないけど。
「で、今何年目?」
「っお、お父さ…!?」
「どうせ2人のことだから、もう付き合って結構たつんだろう?」
「な、なんでそれを」
「やっぱり親だからかなあ、いくら一緒に住んでなくても、なんとなく分かっちゃうんだよね。色々なこと」
ふわり、微笑むお父さん。
昔から勘は驚くほど鋭いけど、このふわふわした性格が短所というか、長所というか…
独特の雰囲気がある。
それは潜入任務の時にとても役に立っているらしいけれど。(リボーンくん談)
「実は、もう少しで2年…かな」
「そっかそっか、もうそんなに…」
「か、隠してたわけじゃないんだよ!ただ、言うタイミングが掴めなくて」
「わかってるよ」
やっぱり、お父さんは優しい。
お母さんがお父さんを好きになったのも分かる気がする。
よく、女の子が好きになるのは父親似の人って話を聞くけれど、どう考えてもお父さんとツナくんは全然似てないよ。
むしろ正反対。
………でも、私はツナくんが好き。大好き。
これは変えようのない事実で。
「さ、パパ達も入ろうか」
「…うん!」
元気に返事を返して、リビングへと向かった。
きっと中ではツナくんがお母さんに根掘り葉掘り質問されているだろう。
イタリアからの帰郷
(それにしてもいきなりすぎる)
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