「それじゃあ、また明日ね」

「ああ、」



今日はどうやら、家には寄っていかないみたいだ。
いつも一緒なのは少し困るけれど、でも、家でただ一人きり、というのもそれはそれで淋しいものなのかもしれない。

そんなことを思いつつ、私は家の中へ入る。

朝干していった洗濯物取り込まなくちゃ、それにご飯も炊かないとだし………
うーん、今日は何を作ろうかなあ…?





--------------





夜もだいぶ深まってきた頃。

私は既にご飯も食べ終え、お風呂も済ませ、ソファでゆったりとしていた。(今日も1日疲れたなあ、なんてね)
そういえば明日は休日だったけど、みんなで勉強するんだっけ。
賑やかになるだろうなあ、特に隼人くんは勉強のこととなるとうるさいし、ツナくんはツナくんで本当は頭良いからって私のことを馬鹿にしてくるし。
武くんはというと…いじめられてる時とか助け船を出してくれるけど、私よりも勉強できないし。

まったく、このメンバーだと私が不憫でしょうがない。



pipipi……



「………あれ」



ぼんやりと考え事をしていたら、突然鳴り響く機械的な電子音。
私はあわてて電話の元まで駆けていく。



「はい、古閑です」

「もしもし、みつきー?」

「えっ、あれ?お母さん?」

「そうよ、ママよ久しぶりー!」

「わ……!!」



久しぶりにお母さんの声を聞いたからか、感動で言葉がでない。
久しぶり、とは言っても定期的にメールのやりとりや電話くらいはしていたのだけれど。
でも最近はゆっくりと電話なんてしてなかったんだよなあ……



「どうしたの?いきなり」

「最近話をしてなかったでしょう?だから久しぶりに電話してみたの。3日程前まではちょっと忙しかったんだけどね」

「そっか……」

「そっちはどう?」

「別に変わったことはないよ?」

「あ、ツーくんは元気にしてるー?」

「うん、まあ…それなりにね!」

「そう、平和なのねえ、そっちは」

「うん、すごく平和だよー」



毎日毎日が充実してて、すごく楽しい。
それはもう、騒がしすぎるくらいに。



「あ、そうだ」



いきなり何かを思い出したのか、声のトーンが少しあがる。
それはもう凄くうきうきしているような声だった。



「9代目からね、少しだけ休暇貰ったのよー!」

「えっ、ほんとっ!?」

「だから、近いうちに帰れると思う!楽しみにしててねー、イタリアのお土産たーくさん買ってあるから!じゃっ!!」

「え?ちょっ、」

「アデュー!」

「ええっ、待ってよおおお!!」



そう叫ぶのが早いのか、電話が切れるのが早いのか……プツッとした音の後に通話が途切れる。
一方的に、(しかもいきなり)切られたのだ。

ちょっと待ってよお母さん……
近いうちって、いつですか?

なんで肝心なことを曖昧にするのよ、これじゃよく分からないじゃん!!
ていうか休暇が何日間なのかさえも聞いてないんですけどおおおおーっ!!!





曖昧なお母さん

(相変わらずマイペースです)






:)戻る

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -