2015/02/24 23:31
壁に追い詰められて、ダイゴさんの腕が行く手を阻む。左右をちらりと窺ったけれど、もう逃げ場はないと思った。どうしてこんなことになったのかといえば、自分でもよくわからなくて、私はじわりと霞む視界のなか必死に彼を見ていた。こわい、こわい…………これからなにをされるのだろう。

「ねえ、」
「ひ、ひいっ」

今すぐにでも殴りかかられそうな雰囲気がそこにはあった。とはいえ、わたしの知る彼はいつだって温厚で優し…………ううん、これは少し言い過ぎかもしれない。今までわたしがダイゴさんに震えない日があっただろうか。それにこの人は身長が高いから、余計にこの体勢がこわい。

「わ、わ、わたし、なにもしてないですよね?!」
「うん、そうだ。君はなにもしてないね」
「えっ、じゃあなんでこんな……」
「僕今言ったよね、君は、って。自分の胸に手を当ててよく考えてごらん?」
「ひいっ、ち、ちかいです!」
「そうでもないと思うよ」
「あっ、こ、こっち来ないでください……!」

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ダイゴさんは普段から怖がられてるのを分かってて、あえて遊んでる感じ。でもきっとこの時はなにかしら彼にとって苛立つことが起きたんだと思う…!夢主は男性恐怖症とまではいかないけれど、そんなに得意ではなくて、なかでもダイゴさんが一番こわい。というかダイゴさんが面白がっていたずらする。

ダイゴさんがこわいというか苦手意識が強いというか…………でもミクリさんはわりと平気、だったり。中性的な容姿のおかげもあるけど、夢主のなかではダイゴさんから守ってくれる(?)ヒーロー的存在。あとダイゴさんより優しいからすき。でも異性としてじゃなくて、近所の優しいお兄さん的存在。

ダイゴさんも優しいといえば優しいのだけど、隙あらばスキンシップ(?)を取ってくるからこわいと思ってる。手を握られた時には震えが止まらなくなったり、ミクリさんが近くにいれば後ろに隠れさせてもらったり。でもそんな様子を見てダイゴさんも、ああかわいいなあ、なんて面白がってる。

「ねえ、そんなところに隠れてないでおいでよ」
「え、遠慮させてください」
「心配しなくていいよ、ほらおいで」
「ひっ、や、やだ、ミミミミミミクリさん、た、たすけてー!」
「はは、そんなしがみつかなくても取って食べたりしないのに……」
「や、やめ、て、くださ……ひいいいいっ」

っていうやりとりをミクリさんの真後ろでやったり……ミクリさんにしがみついて離れない夢主をにこやかに引き剥がそうとするダイゴさん。(ものすごく楽しそうにしてる)「……そろそろいい加減にしてくれないか……」ミクリさんはミクリさんで溜め息をつきながら仲裁に入ったりとか……苦労性???

「そろそろ本気で嫌われるだろうから気をつけた方がいいんじゃないか?」
「うーん、それは嫌だけど、楽しいから今更やめるのもなあ……」
「少しは彼女が可哀想だと思わないのかい」
「僕がやめるより、あの子が慣れてくれればいいんだよ。それでなにもかも解決だ」
「………………」
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