「ほら、セドナ」

高い段差を乗り越えられないセドナの為にルフィは先に登って手を差し出す。
その手に捕まり、よじ登るようにセドナが上がってくる。

2人の城の冒険はそんな風に協力して進んでいた。
向かう先は分からないが目的地はとりあえずセドナが行きたい場所。
高い段差や壊れた道などはルフィだけが先に行き、手を差し出す。それでも行けそうになければゴムゴムで連れてくる。だが、不思議な壁はルフィでは突破不可能なのでセドナに開けてもらう。その繰り返しだ。

再び前に現れた不思議な壁の前で2人は立ち止まり、そしてセドナはいつものように胸元に手をあて発光した体から電撃が現れ、壁に向かって一束になると壁が消えた。

「すっげえな〜、どうやったんだ?」

問いかけながらルフィはセドナの手を握って先へと進む。

やがてたどり着いのは、ホールのように広い祭壇だった。

















ナミとチョッパーは小舟を借りて古城がそびえる崖の真下まで来ていた。

「ほらチョッパー!頑張って漕ぐ!!」

「ナミも漕げよ〜!」

チョッパーは人の姿になってオールを持ち、せっせと漕いで海を渡る。

「凄く大きいわね…」

崖の下から古城を見上げて呟くナミ。
雪が降っていた空は厚い雲が切れ、日差しが所々に差し込んでいた。

「おいナミ!あそこに洞窟があるぞ!」

「入ってみて」

チョッパーが漕いで洞窟の中へ入る。その洞窟はルフィとセドナが入っていった洞窟でもあった。

暗い洞窟に明かりを灯そうとナミは持っていたバックの中からウソップ特製の持ち運び用ランプをつける。
周りが明るくなり、洞窟内の景色がよく分かるようになった。

「陸があるぞ」

「まっすぐなだけで深くもないわね…」

2人はたどり着いた陸に船をつけ上陸する。そして先に進むと円上の空間があるだけで更に先には進めない。

「どうしよう。やっぱり城には入れないのかしら…」

「ナミ!上に光が見える!きっと上だっ」

「よし!チョッパー、飛びなさい!」

「飛べるか!!」

その直後、チョッパーが隅にあるスイッチのようなレバーを見つけ、怪しみながらおそるおそるレバーを倒すと、突然地面が動いて上へとのぼりだした。

「昇降機…だったのね」

昇降機は一番上にたどり着くとゆっくり止まる。
そこはすでに城の中だった。

「城に入れちゃった…」

「でも、城には入れないって言ってたよな!?」

「そうよね…
…とりあえず、ルフィとセドナを探しましょ。チョッパーにおい追ってくれる?」

「わかった」

すぐにトナカイの姿になりにおいを嗅ぐ。
ナミはその間にランプを片付けた。

「こっちだ」

チョッパーに促され、ナミはその後を追った。

















祭壇にたどり着いたルフィ達。
目を輝かせて周りを見回すルフィがあることに気づいた。

「…あれ。この部屋、変な模様が書いてる壁がいっぱい並んでるぞ?」

セドナはルフィと繋いでいた手を離し、ゆっくりと祭壇の中央にいく。
そしていつものように両手を胸の前に置いて目を閉じると

――バチ!バチバチッ!

「うわ!?」

発光するセドナ。
そんなセドナに並んでいたたくさんの壁は不思議な色で光りだし、電撃を発して次々に彼女へと目掛けて迸る。

「おい!セドナ!?」

「………っ」

見るからに苦しそうなセドナにルフィは焦る。

「なにやってんだ!止めろ!」

フラつく彼女に走って近づき手を伸ばすが、届く前にセドナはその場に倒れるように座り込んでしまった。

「セドナ!」

ルフィも慌ててしゃがみこむ。
すでにいつもの構えは崩れてしまっているセドナだが、壁からの電撃は終わりなく続く。

「セドナ、なんかやばいぞ!この部屋から出ようっ」

「…っ」

ルフィが抱き上げようと腕を掴んだ時、セドナは首を左右に振った。

「なんでだよ!」

「………」

「…お前が嫌がっても出る!」

強い口調でそう言い、セドナを抱き上げる。

その時壁からの電撃も終わり、静かになった。

「…終わったのか…?」

キョロキョロと周りを見回すと光っている壁はひとつもない。
そのかわり、どこからか地響きが聞こえてきた。

「…なんだ?」

自分の腕の中でぐったりとしているセドナを気遣いつつも周りを見るルフィ。

バアン!!

すると突然、周りにあった不思議な壁が弾けるように次々と壊れだした。

「なんだなんだ!?」

そして更に祭壇そのものも崩れだす。
ルフィは落ちてくる瓦礫を避けながらなんとかその場を後にしようと走りだした。






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