跳ね橋を見上げながらルフィは唸る。跳ね橋の下ろし方が分からないのだ。
ゴムゴムで渡ろにも向かいにある道までには少し遠い。
「どーすっかなぁ」
「ihcoc」
セドナを見ると上を見上げて指を指している。
「…なんだ?」
指さす方法を見るが壁が立っているだけ。しかししきりに上を指差すのでルフィはゴムゴムで壁の上まで上った。
「なんだこれ」
上にあったのはレバーのようなもの。とりあえずそれを引いて倒してみた。
すると、跳ね橋が軋んだ音を立てながら下りてきたのだ。
「すっげえ!お前よく分かったな!」
セドナの元へ下りてきて目を輝かせるルフィ。
そしてセドナの手を掴んで握り、橋を渡り始めた。橋はやはり古いせいか途中で壊れている。
結構な距離があるがルフィは難なくそこを飛び越えたがセドナは思わずルフィの手を離してしまい壊れた箇所の手前で足を止めてしまった。
「セドナ、こっちこいよ」
先に渡ったルフィが振り返ってセドナを呼ぶ。
セドナは下を見ながらもなんとか渡ろうとうろうろと歩くが
「ianeki!」
頭を左右に振って叫んだ。
「無理って言ってんのか?
しょうがねぇなぁ………ほら」
身を乗り出して手を差し伸べるルフィ。
それを見たセドナはしばらく戸惑うが、ルフィを信じたのか思いっきりジャンプをする。
「よし!」
ジャンプして伸ばしてきたセドナの手を掴み、今にも落ちそうなセドナを引き上げる。
「やれば出来るじゃねぇか!
よーし、この調子でどんどん行くぞー!!」
再び手を繋いで歩き出した二人。
その頃島では、ナミとロビン、サンジとチョッパーが城について噂を聞き込みしている最中だった。
「私も詳しいことはよく知らないわ」
ちょうどサンジがナンパしていた女性をつかまえ、とりあえずナミはサンジを押しのけて古城についての質問をしたのだ。
「なんでもいいの。なにかしらない?」
目がハートになっているメロリン状態のサンジに手を焼きながらも平然とした口調で問う。女性はしばらく考えると
「そうね…
たしか、大昔にひとりの女の子があの城に生け贄として連れて行かれたっていう噂なら知ってるわ」
「生け贄…!?なんでまた?」
「さあ…よく分からないけど、ずいぶん大昔の話だから…昔ならよく神様だかなんだかに生け贄として人間を捧げるって話よく聞くし、私が今言ったことだって単なる噂で作り話かもしれないわ」
「そ…そう」
「ごめんなさい。私今急いでるの」
「あ、ごめんなさい!ありがとうっ」
「お嬢さ〜ん!今度お茶でもしましょうね〜!!」
「サンジくん!」
去っていく女性を見送る4人。その時、ロビンがなにか思い出したように
「女の子といえば…
彼女も昔は人間だったと本に書いてたわね」
「彼女って…セドナのこと?」
「ええ」
「うそ!セドナって人間だったの!?」
「仮説でしかないけど…
でも人間が神様として蘇る話は珍しくないわ。他の話でも似た内容があったもの」
「それにしてもひとりの女の子が生け贄として城に閉じ込められたなんて、噂でも酷い話だな」
チョッパーが憤慨したように言う。
だがサンジは少し疑問が残るように
「でもよ、あの城入れねぇんだろ?だったらどうやって閉じ込めたんだ?」
「私も思ったわ。昔は入れたってこと…?」
ナミも同じ疑問に唸る。
「ここからは専門的な知識が必要ね。噂では同じ内容しか分からないわ。
本格的に調べるなら図書館を探さないと」
「ねぇロビン、私達先に城に行って色々調べてみた方が良いんじゃないかしら?本当に入れないのかも気になるし…」
「そうね。じゃあ私は図書館を探して色々調べてみるわ」
「私はチョッパーと城へ行くわ。誰かに船貸してもらう。
サンジくんはロビンは手伝ってあげて」
「仰せのままに、プリンセス」
「じゃあまた後でね!」
こうして4人は2人一組となって分かれ、ナミとチョッパーは古城へ、ロビンとサンジは図書館へと向かったのだった。
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