冬島に到着するとナミとロビン、そしてチョッパーはさっさと船を降りた。

「私はすぐ古城に行くわ。
やっぱりルフィだけじゃ不安だもの」

「私は少し調べものを…」

「おれも城へ行くぞっ」

「お、おいちょっと待て」

船の下にいる三人にゾロが声をかける。

「おれも買いてぇもんがあるんだが…」

「ナミさーん!お供させてくれー!」

それを見たナミはビシッ!と指差すと

「どっちか船番よ!」

無言になるゾロとサンジ。

『…じゃーんけーん!!』

















「うっひょー…すっげえでけぇなぁ」

壊れた古い橋付近の海上を歩きながらルフィは上を見上げる。

「それにしても…入る場所がねぇな。飛ぶしかないか?」

すると、岩肌に洞窟のような空洞があることに気づきルフィはセドナの手を引いてその中に入った。

「真っ暗で見えねぇ。道どうなってんだ?」

「Straight」

「ん?」

ルフィが振り返るとセドナが前に指差していた。

「…まっすぐ進めってことか?」

とりあえずセドナが指差す通りに進むことにしたルフィ。
真っ暗な洞窟の中をしばらく歩いていると、やがて小さな岸にたどり着いた。

「やっと地面か」

そう言ってさらに進もうとした時、ゴツンと顔が壁にぶつかる。

「なんだこれ」

ペタペタと触ってみると石で出来た何かが岩肌に食い込んでいるようになっているみたいだ。
ルフィはとりあえず壊してみようとセドナを後ろに下がらせ、手を離すと勢いよくパンチをする。

「〜っいってー!!」

びくともしない上に反動で手がびりびりと痛む。

「なんだよっどっからも入れねぇじゃねぇか!」

手をさすりながらルフィは石の壁に怒鳴った。

「……セドナ?」

その時、セドナが前に出た。
そして両手を胸において目を閉じると

「……!」

ルフィは声もなく驚愕する。

セドナから出る電撃は一束になって集まると石の壁に光を送るように一筋となってセドナと通じる。
壁は、まるで空気に溶けるようになくなった。

「……すっげえ!
やっぱりお前すげえな!」

感激するルフィをよそにセドナは早々と中へ入って行ってしまった。
ルフィはその後を追うように中へ入る。

「なんだ?行き止まりじゃねぇか」

中は円のような空間になっているだけで道はない。
だが上を見ると僅かに光が見える。

「上か。よーしっ」

側にいたセドナを担ぐと腕を上へと伸ばした。
ギリギリ手が届いたのか、しっかり地面を掴むと凄い早さで上へと飛ぶ。
上りきると勢いがあまり天井に少し頭をかするが無事に着地してセドナを下ろした。

「でっけー!!」

ついた所は城内の、まるで玄関ホールのような場所だった。
その広さは広大で、まるで自分達2人が小さく思えるほど。
そしてよく見てみると先へ続くだろうとされる道へも、逆に戻ろうとする道へも両方に不思議な模様のかかれた石の壁が埋め込まれていた。

ルフィはふと見るとセドナがすでに先へ続く道の壁を開けようとしている。

「おい、待てよセドナ!」

ルフィの止める声は通じずセドナは壁をまた同じ方法で開けて行ってしまう。

「……ま、いっか。しばらく一人で冒険しよう」

気楽に呟き、どこへ行こうかとキョロキョロ辺りを見回した時だった。

「やっぱダメだー!!
一人にしたらセドナがカラスに連れてかれちまう!!!」

重大なことを思い出したルフィは、慌ててセドナが行ってしまった方向へ走り出した。

「セドナー!どこだー!!」

大声で、そう叫びながら。






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