ルフィとウソップ、チョッパーは釣りをして遊んでいた。

三人並ぶその下の海上ではセドナがいる。
青い空に青い海、その青の中にひとつだけポツンとあるその白いセドナの存在につい目を追ってしまう。

「なかなか釣れねぇなぁ」

「そうだなぁ」

ウソップとチョッパーがぼやく。

「今日は当たらねぇかもな」

諦めたようにウソップがため息をもらし退屈そうに視線は海上を動き回るセドナを見る。

その時黙々と釣りをしていたルフィが

「なぁ、セドナの奴なんか言ってねぇか?」

「んー?」

その言葉にウソップはルフィに移していた目をもう一度セドナに向ける。

よく見ればセドナはある一点を指差し、しきりになにか言っている。

「ihcoc」

「…………?…なんだ?」

分からない三人。

けれどセドナはまた同じ所を指差し

「ihcoc」

「……分かったぞ!」

ルフィはそう声を上げるとセドナが指差す方向に釣り糸を垂らした。

しばらくして

「よっしゃあ!かかったあ!」

「マジかよ!?」

「ルフィすげー!」

ウソップとチョッパーも試しにルフィと同じ所に釣り糸を垂らすと、それはもう面白いほど魚が釣れた。

「すげぇ!まだ釣れるぞ!」

「嘘みてぇだ!」

ルフィとウソップ、チョッパーははしゃぎながらどんどん魚を釣っていく。

「セドナ、教えてくれてたんだなっ」

「ルフィよく分かったなぁ
セドナの言葉知ってんのか?もしかして」

「知らね。なんとなくそんな気がしただけだ」

予想していた解答にウソップは苦笑する。

そんな時ナミが割り込んできて下にいるセドナを見つけると

「セドナ、おいでー!」

「…?」

セドナはナミを見上げて首を傾げる。

「おいで!」

ナミはもう一度呼んで手招きした。
するとナミの意図を理解し、セドナはハシゴへと向かっていった。

「おい、どうしたんだ?ナミ」

不思議そうなウソップの問いにナミは楽しげに笑って

「ひ み つ よ」

そう言うだけで結局教えずにセドナを連れて女部屋へと行ってしまった。
















「みんな見てー!」

しばらくしてナミの元気な声が響き渡った。
妙に明るいその声に、釣りをしていたルフィ達や昼寝の最中だったゾロまでもが中断してやってきた。

「どうしたんだいナミさん」

一番最初に駆けつけたのはやはりサンジ。すでにメロリン状態だ。
ぞろぞろと集まってきたその中にルフィがいるのをナミは確認すると

「うふふっびっくりするわよ〜?
さあ、お立ち会い!」

ガチャ!と後ろにあったドアを勢いよく引き開ける。

そこにはセドナがいた、が

『おお!』

普段あまり声を上げないゾロすらも驚いた。
セドナはナミによって、髪をきれいに纏められレースやフリルが満載の、だけど少しも鬱陶しくない服を着せられてドレスアップしていた。

だがセドナの表情を観る限りでは状況が分かってなさそうだ。

「どう?女神様っぽいでしょう!
セドナは肌が白いからどんな服も似合うから楽しいわっ」

「ほんと、よく似合ってるわ」

「はぁ〜!セドナちゃん!
おれだけの女神になってくれぇ〜!!」

「近寄んなラブコック!」

「ンだとクソマリモ!」

「ああん!?」

そのまま恒例のケンカを始めるゾロとサンジ。

ナミはそんな2人を気にせずチラリとルフィを見る。

声も出ないウソップとチョッパーの後ろに、ルフィも声もなく驚いていた。
だがほんのりと顔を赤くしている。

「ハァー…」

ナミは深くため息をついた。

「(後は素直に声をかけるだけでいいのに…ったく、煮え切らないわねルフィのやつ)」

意外にも奥手で純情な船長。

セドナとの間にはかなりの長期戦を要すると分かったナミは、とりあえず応援はしようと決心した。


*なな様リクThank you!


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