穏やかな気候は春島ならでは。

暖かい日差しにゾロは島に着いたにも関わらずあっという間に寝入ってしまい、船番として自然に決定された。

「前の島では行かなかったみたいだから、セドナも今回は行かせなくちゃ!」

うきうき気分でナミは前の島で買ったセドナの服を選ぶ。

服に興味を持たないセドナの変わりにナミが選ぶようになったのだ。

ちらりとセドナをみると、彼女は甲板に置いてあった木箱に乗って
マストに止まっているカモメを見つめている。

「あの子…カモメが好きなのかしら」

航海中でもごくたまに甲板に降りてくるカモメを追いかけたり、海上から見つめていたりと度々そんな姿を見かける。

「海を歩いたり、鎮めたり出来るという凄い力を持つのに…なんだかあどけないわね」

「そうね。一体歳はいくつなのかしら」

船内から出てきたロビンが、そう言いながら一緒に木箱に乗っているセドナを見守る。

「見た目じゃわからないわよね、セドナって。
あどけないけど、彼女のどこか不思議な雰囲気で大人っぽさを感じたりして…」

「見た目の割に結構年上かもしれないわね」

「もしそうだったらびっくりだわ。
よし、セドナ!おいでっ」

服を選び終わったナミが、木箱に乗っていたセドナを読んだ。

セドナは気づき、木箱を降りて小走りで寄ってくる。

「服選んでおいたから、これに着替えてきなさい。
あ、靴もはくのよ?サンダル買っておいたから」

服を渡されて不思議そうなセドナ。

だがなんとなく分かったのか

「……Yes」

こくりと頷いて船内へと入っていった。


















「よく似合うじゃない!
やっぱりセドナはワンピースが似合うわねっ」

パステルブルーのワンピースとサンダルをはいたセドナを見てナミは満足そうに頷く。

「さて、島の散策だけど…
セドナは誰かと一緒にいた方がいいわね。狙われてるみたいだし。
…誰と一緒がいい?」

そう聞くがセドナには言葉が通じない。

困ったようなナミにロビンが後ろから

「船長さんなら、その子も喜ぶんじゃないかしら」

「えっルフィと?」


「おれは別にいーぞ」

ロビンの横に立っていたルフィが言う。

「その子…船長さんと一緒にいる時、なんとなく楽しそうじゃない」

「そうだけど…
…ルフィ、あんたセドナを置いて勝手に一人であっちこっち行ったりしない?」

「しねぇ」

「セドナは狙われてるんだから、ちゃんと責任持つのよ?」

「ああ、大丈夫だ」

「……やっぱり心配だわ。
じゃあこうしましょう!
ルフィ、セドナと手を繋いで行動することっ
絶対に離さないで!」

「…これでいいのか?」

ルフィはセドナの手をギュッと握ってナミに見せる。

ナミはよしっと頷いた。

「じゃあ行ってくる!」

許しが出た途端ルフィは船を降りて島の町へと走りだした。

手を繋がれているセドナはそのペースに頑張ってついて行っている。

「あの子苦労するわね」

「今日1日走り通しかもしれないわね」

ナミは呆れたように、ロビンは微笑ましげに見送った。






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