「じゃあ、私家こっちだから…」

そう言うと花ちゃんは小さく一礼する。また明日、と手を振ると少しはにかみながら手を振り返された。よし死のう。早速死のう。今すぐ死のう!!

「花ちゃんほんっとかわいいよな〜」
「あいつがかわいいなんて世も末だな」
「真ちゃんだって花ちゃんのこと好きなくせに〜」
「………は?」

真ちゃんは足を止めて俺の顔を見る。え?は?な、なに?もしかして気付いてなかった、とか??いやいや真ちゃんにかぎってそんなことは。と思っていたけど途端に顔が真っ赤になった。そんなことありました。

「な、ななななな何を言ってるのだよ。俺とあいつは同じ中学だっただけなのだよ。それに、あいつは俺のことが嫌いだと−−」
「でも真ちゃんは花ちゃんのこと好きなんだろ?」
「ぐ……っ」

あーあー。耳まで真っ赤にしちゃってさー。説得力に欠けるっての。真ちゃんはしばらく黙ったあと頷いた。「ああ」真ちゃんは言った「そうかもしれん」

「………、………ほら!さっさと帰るのだよ!!」
「へーい」

あと一週間はこのネタでいじれるな。



家に帰って少し考えた。真ちゃんのこと、花ちゃんのこと、そして俺のこと。これ、超三角関係じゃね??昼ドラとかでありそうな感じする。

とりあえず、現時点で有利なのは多分俺。花ちゃんは真ちゃんのこと嫌ってるみたいだし。あッ。でも俺さっき花ちゃんの地雷踏んじゃったんだッッ。つらい。これすごくつらい。これはもう、明日の朝教室で平謝りコースだわこれ。
でも花ちゃんの中学時代知ってるって意味では真ちゃんのが有利なんだよな。あー、花ちゃんマネージャーになってくんねえかな。俺マジ頑張るのに。今まで以上に頑張るのに。負けないのに。


−−高尾くん


うおおおおお花ちゃんまじかわいかった!名前呼んでくれた!俺のこと知ってた!!まじやばいどうしよう。ねえこれどうしたらいい?!と、思う!?こんなことなら花ちゃんにメアド聞けばよかったなー、くっそー。
なんて思ってたら携帯にメールがきた。ディスプレイには知らないアドレス。え、だ、誰?恐る恐るそれを開くて件名に高嶺ですと書かれてた。花ちゃん?!慌てて開くと「いきなりのメール、お許しください」いいよ、いいよ!許しちゃう!「緑間にメールしてやれって言われたのですがご迷惑でしたか?」全然迷惑じゃないよ!!てか真ちゃんGJ!!「差し支えないようでしたら登録していただけると幸いです」。



登 録 し て い た だ け る と 幸 い で す だ と . . . ?



差し支えなんてないよ!むしろ俺も登録していい?!割とテンション高めなメールで返信してしまった。それから五分後大丈夫です、と返信が返ってきた。もうまじで死ねる。


140607.