あめのひ


「ぎー…んちゃんっ!」


「ぐえっ」



蛙が潰れたような声を出して前のめりになる彼に微笑むと、ベシッと頭を叩かれた。



「いてっ、」


「お前はアホか。なんで急に後ろから突進してくんだ」


「だって今日は雨だよ」


「はあ?」



意味が分からないと言いたげな顔をされ、ゆっくりと説明をする。「犬もご機嫌ななめのレイニーデイだよ!」と。



「お嬢ちゃん、何言ってんの」


「なんで?」



今度は私が意味が分からないとハテナマークを銀ちゃんに飛ばす番。



「説明になってないだろ…結局雨ってことしか分からん」


「だから、雨なんだって!カツ丼とか食べたいレイニーデイ」


「それお前が腹減ってるだけだろ」


「銀ちゃん、お腹減った」



はあ、とため息を吐いて「ピザでも食うか」と私に聞いてくる。


「そんな贅沢するならどうせなら外食がいい」


「お前の言い方をすると、外には出たくないレイニーデイ、だ」


「じゃあ何も食べないもん」


「駄々っ子か!」



また視線をテレビに向けてしまった銀ちゃんに後ろからのしかかる。



「銀ちゃーん」


「何だよ結野アナが見えねぇだろ」


「好きー」


「…外食、あとで行くか」


「ピザでいい」


「しばくぞ」

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