溶けてしまいそう


大好きな土方くんと初デート。目一杯のオシャレをして女の子らしく振る舞って、楽しくお喋りしながら食事をして店を出てみると土砂降りの雨が降っていた。




「うわ、すごい雨…」


「天気予報、外れたな…」




お互い苦笑いしながらその場に立ち尽くす。こんなこともあろうかと鞄には折りたたみ傘を入れてきているけど、もしやこれは相合傘のチャンスなのでは?なんて1人でニヤつきながら土方くんを横目で見ると、なんと右手には青い傘が。
自分の鞄の中を再度確認して項垂れていると隣からの視線を感じたので顔を上げる。




「傘、ささねーの?」


「え、あー、今出そうかなって…」




歯切れの悪い私を不思議に思ったのか鞄を覗き込んでくる土方くん。




「なんだよ、あるじゃねぇか」


「う、うん」




自分の傘を出して水玉模様の傘を広げた。相合傘ができないのは残念だけどまぁいいかと諦めたところてま、何故か土方くんがヒョイッと私の傘を取ってこう言った。




「しょうがないから、入ってやるよ」




彼の右手に青い傘はもうなくて、私の傘に2人で入っている状態(近い近い近い)で照れたような、そんな笑顔を見せられてはキュンとする他なかった。
土方くんに触れてる右手が震えてる。手を伸ばせばすぐ届く距離なんだと思うと顔が火照ってしまい、絶対に真っ赤な耳を隠すために下を向いて歩いた。

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