横暴な隣人総悟くんと出会って三日目の放課後。ちなみに晩ご飯を提供するのは二回目だ。


ドンドンドンッ


またもや強烈なドアノックの音で飛び上がり玄関へと向かうと案の定爽やかな顔で立っているお隣さん。


「だからインターホン使ってよ」

「腹減った」

「…今日はミートスパゲッティでございます。はいタッパー」

「寒ィから上げろィ」

「ですよね」


昨日のは気まぐれで今日は自分の家で食べてくれるのではとあらぬ期待をしてみたがやはりうちで食べて帰るらしい。どうせ食べてすぐ帰るだけだろうしいいか、と思い安心していたのが総悟くんに伝わったのか今日は何故か中々帰ってくれず長居されている、現在。


「へぇ、あんた女子校なのか」

「うん。銀魂高校とは真逆の」

「見かけによらず勉強はできんのかィ」

「失礼だね。学校では下の方だけどまぁ普通くらいじゃないかな」

「なんでこの家からわざわざそっち通ってんでィ」

「お母さんが心配性で、ちゃんとした女子校に行けって言われて」

「ちゃんとしてない共学もとい銀魂高校は受けなかったと」

「そういう意味じゃないんだけどね?」


なんだか各方面に失礼な捉え方をするのはやめよう、と総悟くんを諭していると私の学校への興味はもう薄れたらしく何やら本棚を物色しだした。


「なにしてるの?」

「エロ本でもねーかと思って」

「いや持ってないよ。総悟くんこそお家にたくさんありそうだけど」

「ありやすぜ。気の強い女教師が快楽に溺れていく様を見るのが好きなもんで」


健全な男子高校生ならちょっとは恥ずかしがったり動揺したりするのではないかと踏み込んだ私がバカだった。総悟くんの家の本棚は漁らないようにしようと心に決めた瞬間である。


「総悟くんにはもう少し男子高校生らしいところないの?」

「じゅうぶん健全だろィ。ムッツリスケベな土方さんより良い方だと思いやすぜ」

「ひ、土方さんムッツリスケベなんだ…」

「そりゃあもう、あんたのこともエロい目で見てまさァ、確実に」

「えええ、怖いこと言わないでよ…」


少し引いたように返すと総悟くんは思いついたように「明日は多めに晩飯作っといてくだせェ」と私の反応がお気に召したのかご機嫌なまま帰っていかれた。ていうか私、明日も晩ご飯作らなきゃいけないのか。


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